Q.乾き目って何なの?どうすればいいの?

A.何らかの原因で涙の減少が避けられないわけですから、外部より涙液の補充を行い、かつ涙液の蒸発を防御するのが一番です。

いわゆる「涙液減少症」だけでなく、コンピューター画面での作業(CRT作業またはVDT作業)による人工的「乾燥眼」も含めて考えます。涙液減少症は、生産される涙液(涙)の量が少なくなって何らかの障害が起こる状態を言います。

はっきりとした原因は特定されていませんが、涙液が減少すると様々な障害が起きます。先ず、涙液層について述べますが、三層構造です。角膜側から蛋白層(ムチン層)・水層・油層です。約70ミクロンの厚みしかないのに、ほぼ均一に角膜表面を覆っています。涙の水層は実際、血球がない 血液成分とほほ同じです。
このため角膜上での防御網が形成され、感染症や傷の修復が常に行われるのです。涙が無いと、この外界からの防御網が簡単に突破され激しい角膜障害に至り、放置すると眼球内部への影響が出ます。
涙は常に当たり前に有るという認識は現代では通用しません。
つまり年中付けているエアコンによる除湿・高層ビル群でのビル風・自転車やバイクでの乾燥等がありますが、一番問題なのはテレビ画面の長時間使用でしょう。

CRT作業は固定された作業姿勢で長時間動かず、同じ視線で決まった作業(入力作業)を淡々と行い、かつ情報の確実な入力のために瞬目(瞬き)が減り、自然と画面に引き寄せられるように前傾姿勢になります。
涙液は上下の『まぶた』がきちんと触れ合わないと排出されないので、いかに厳しい条件かが分かります。50分程の作業後10分程CRT作業を避けるように厚生労働省が義務付けているのも過酷な労働条件であるからです。

いずれも何らかの原因で涙の減少が避けられないわけですから、外部より涙液の補充を行い、かつ涙液の蒸発を防御するのが一番です。
先ずは姿勢を良くする事。何よりも大切です。
焦点距離の保持は度数進行を防ぐ最大の方法です。
次に涙成分の補給が大事です。足りないものは補充するしかありません。
よく「涙補充しすぎると、自分で涙を出せなくなる」という発言を耳にしますが、現代においては状況がひどすぎます。「無いものは無い」のですから、補うしかありません。しかし市販薬は避けてください。日持ちさせるために防腐剤類がり、それは涙液減少症では濃縮され、角膜の傷等から侵入し一層ひどくなることもあります(防腐剤障害は多々あります)。防腐剤の無い目薬は薬局や眼科にありますので、よく相談して処方してもらいましょう。

さらにCRT 作業や自転車・バイク運転中やエアコンの効いた室内で有効なのは「レンズがやや大きめな 乾燥保護用眼鏡」の装用です。これは近視・遠視・老眼等は無関係で、コンタクトレンズを使用している方でも検討されて良い方法です。
眼鏡が盾になって角膜表面からの涙の蒸発量を改善してくれるのです。
考えるとなるほどでしょう。一度試してみてください。

監修:藤原医院 院長:藤原憲治