Q.斜視って?斜位とは違うの?放っておいていいの?
A.斜視では一つの物を両眼で見る能力に欠けます。
よって何らかの治療が必要です。
斜視は状況により将来を大きく左右するので、対処の時期・方法を専門化と共に確実に行うことが重要です。
目が内向きを『内斜視』・目が外向きを『外斜視』と考えてください。
他にも潜在的な斜視(隠れた斜視)や交替制斜視(検査して分かることが多い)もあり、古くから斜視の判別は難しく・診断も様々です。
しかし、一般に生直後の内斜視が最重要で、外斜視は小学生になってからの対処が多いです。

良く似た言葉で『斜位』と『斜視』とがあります。
『斜位』は意識して物を見る時に両目がきちんと正面を向いているのに、ぼんやりしている時や片目を覆った時に目の位置がずれる状態を言います。
軽い外斜位や内 斜位は正常範囲に含めます。
斜位では一つの物を両眼で見る能力があり、あまり問題にならないのです。
一方常に目の位置がずれている状態を『斜視』と言います。
斜視では一つの物を両眼で見る能力に欠けます。よって何らかの治療が必要です。眼球には六つの筋肉が付着しておりこれらが連動して眼球をスムーズに動かしています。中でも眼球の上・下・鼻側・耳側にそれぞれ上直筋・下直筋・内直筋・外直筋が白目(強膜)に付着しています。
治療法は、内斜視と外斜視は内直筋と外直筋の付着部の位置を前後に付け替える手術です。
内斜視は眼球が内向きなので焦点がそれ以上外で結ばないため、視力が出なくなるので出来る限り早めに手術を行います(多くは2歳まで)。
重度の内斜視では全身麻酔に耐えられる生後3~6ヶ月で手術を行うことがあります。そうしないと永遠に外方向への焦点が合わなくなり、視力が出ずに弱視になってしまうからです。一方外斜視は8~10歳頃に1度手術を行うのが理想です。
比較的視力が保てる症例は手術の必要性がはっきりしませんが、ヒトは両眼で立体的に物を把握するので、長期間眼球の位置異常を放置していると網膜上の像の位置が左右で一致しない状態(網膜対応不全)を放置すると、成人してから立体視が出来ず、免許や就職にも差し障ります。
しかし片眼の斜視では眼鏡で位置異常を補正し、後日手術をしたほうが良いこともあり、目の位置が不安ならば、早々に眼科医に相談することです。
また手術後も十分な視力を矯正するために眼鏡の装用が必要な方が多く、適切な眼鏡合わせが重要ですし、度々同じ眼鏡でよいのかを定期検査することも重要です。適切な治療を継続すれば弱視を回避できるので、斜視の疑いのある子供さんをお持ちの御両親は眼科医と密に相談されることをお勧めします。
監修:藤原医院 院長:藤原憲治