Q. 近視って?直らないの?

A.近視自体は無くなりませんが、常に適切な視力矯正を行うことで成長期であっても急速な度数進行をくい止めることは出来ます。

近視は、東洋人に多いようです。
一部では、漢字が表意文字(アルファベットは表音文字)で画数を認識 するために目を使いすぎるからとも言われています。
残念ながら近視は目の構造の問題であり、根本的に無 くすことは不可能です。
多くは眼球の長さが標準より長いため焦点が網膜の前方で結び、遠方視でぼやけ てしまう状態です。
焦点を合わせるために眼鏡やコンタクトレンズ等による屈折度数の追加が(いわゆる近視矯正)が必要です。

近視自体は無くなりませんが、常に適切な視力矯正を行うことで成長期であっても急速な度数進行をくい止めることは出来ます。学校検診の「視力検査での異常」の用紙について眼科医と十分相談するのです。
「学校に提出するだけなので、記載だけしてくれ」などと子供さんの現状に無関心な父兄がいます。彼らに尋 ねますと「どうせ視力が悪くなり、新しい眼鏡の買い替えになる。お金がかかって仕方が無い。」といった発言を子供を前にして平然と口にする父兄がいます。この行為はとんでもないことです。子供も理由を丁寧に説 明すれば理解できるのです。まずは父兄が子供の手本になることです。
姿勢を正し、テレビ画面に対し十分に距離を取り、十分な照明を整えることです。
さらに一定の距離のままでいるので瞳孔(瞳)が固定して調節力の低下を招いてしまうため適度な運動(ストレッチ・ラジオ体操でよい)を行うのです。

子供と話し合ってTVゲームやテレビ鑑賞の時間を決めればよいのです。
中高生では携帯電話のメールの料金を気にする前に、上記の条件を守らせるべきです。それを行わないなら親権を行使し携帯電話を取り上げたらよいのです。
その後始めて、適切な眼鏡合わせやコンタクトレンズ処方を行うのです。
権利を認めすぎるのではなく、人としての義務を認識・施行させる教育をきちんと行うことが、異常な近視進行を防ぐ上 で重要な鍵といえます。「姿勢・明るさ・適度な運動・正しい眼鏡」です。これは年齢に関係なく有効です。

ちなみに近視矯正手術(最近はLASIK が主流)についてよく尋ねられますが、私はこのように返答してい ます。
「私の妹は強度近視で眼鏡とハードコンタクトレンズを私が処方していますが、今のところ近視矯正手術を妹に勧めることは無いでしょう。何より保険適応でないことが問題です。安全が確実であっても国家が健康保険を適応するまでは身内に勧めません。面識のない方にには一層勧めません。」と。
ほとんどの方が「そうですよね。ましてや手術してしまっては元には戻らないですし。分かりました。」とおっしゃって、眼鏡の処方箋を御希望される事が多いです。

監修:藤原医院 院長:藤原憲治