白内障
白内障は目の中にある水晶体(レンズ)の濁りが出た状態をいいます。残念ですが、人間は誰もが歳を取ります。白内障も老化現象の一つです。 白髪・歯が抜ける・腰が曲がる・運動機能の低下等と同じ現象と考えて下さい。 ただ人により程度差があり、早くから白内障が気になる人とかなりの年齢になっても気にならない人とがいます。 白内障は水晶体の新陳代謝(日常の生活活動そのものと考えてください)の低下により、透明な状態を維持する機能が徐々に低下したため、水晶体が白く濁り出す状態をいいます。 決して病気ではなく、自然な老化現象の一つで、多くの方は15歳頃から始まり老眼が始まる頃、「何となく曇る」と感じ出します。 これが初期段階です。 白内障の多くは「天気の良い日に、とっても眩しく、曇った見え方になる。 逆に曇りの日は比較的良く見えて、眩しくない。 雨の日にはかなりはっきりと見える。若い頃と逆だ。」という訴えです。 理由は、光が通過する水晶体が濁るために、目に入って来る光が多すぎると瞳孔が閉まり、光の量を制限します。 このため水晶体(レンズ)自体の濁りで光の散乱が多くなり「眩しい・ぼやける」が起こるのです。 逆に雨や曇りの日は、光の量が少なく、瞳孔が閉まらず光の量は少ないままなので、「晴れの日より見やすい」のです。
治療は進行を抑制する点眼薬(進行の停止は出来ない)の使用です。 生活習慣の変更、特に食習慣の変更で直るかとよく尋ねられますが、根本的には不可能です。 ただし日光の紫外線による白内障進行は紫外線カットレンズの眼鏡(サングラスに限らない)の使用で少しでも食い止める事は出来ます。 余談ですが、紫外線(以後UVとします)障害について簡単に述べます。 本来地球のオゾン層が十分な暑さが保たれていると、宇宙から無限に降り注ぐUVの殆どをカットしてくれていましたが、エアコン・冷蔵庫等のフロンガスの排出によりオゾン層が破壊され急速に地表面へのUV到達量が増加しました。 UVは「殺菌・消毒」に有効です。 つまり大量に浴びると細胞単位で遺伝子情報を傷害され、本来多少の障害は自己修復出来ますが程度がひどいと、もはや遺伝子の自己修復作用も不可能で、その結果「皮膚ガン・白内障等」が急速に増加します。 このためオーストラリアでは、昨今のオゾンホール拡大に伴う地表面でのUV増加の影響を直接受けており、将来の皮膚ガン予防・病的白内障の増加を避けるため、屋外での学童のサングラスと帽子の着用を国が義務化しています。 北欧の国々もUV対策は深刻で、幼少時からの外出時のサングラス着用とUVカットのスキンケアが当前になつてます。 地球規模での地表面へ到達するUV増加は不可避であり、日本も今後は若年性白内障の回避のためにUVカットの眼鏡が主流になると予想されます。 外出時のUVカットは老若男女を問わず行うのが賢明です。
監修:藤原医院 院長:藤原憲治