「風邪ひきの痕の頭痛・めまい・耳鳴り」だけと決め付けない
とうとう今年も遅ればせながら梅雨に入りましたが、例年以上に不定愁訴(何となく・・・)の訴えが多く見られます。多くの患者さんが「どの科に行けば良いのか分からない。」と嘆いて居られます。
降雨前日からの頭痛・めまい・耳鳴りを自覚される場合、耳鼻咽喉科での診察が適切です。内科受診を最初に受けて、治らない患者さんが来院される事が殆どですが、「めまい」であっても問診のみで検査することなく、直ぐ薬剤処方のみが殆どです。三半規管系障害か、場合によっては脳神経障害かを検査で判別せずに数分の問診だけで、「一般的内服処方」で対応するのはどうかと、感じます。実際先月、内科医院数か所受診しても「風邪ひきが長引いた後の、頭痛・めまい・耳鳴り」が治らないという事で、当院来院された患者さんが、通常の障害で無かった事が判明しました。初診から4週間以上経過し、当院初診時「たまたま手足のしびれも昨日から自覚する。」と問診の中で聞き出せました。瞳孔反応及び、受け答えにも少し違和感があり、早々に大学病院紹介しました。返答は、「ギラン・バレー症候群」でした。寝たきり、場合によっては死に至る疾患で、かつて大原麗子さん(亡くなられた大女優さん)も罹られた難治性疾患でした。経過は様々で、どの施設も診断が困難です。経過とともに疾患本体に特徴的な症状と生体反応が生じますが、程度も状況もバラバラなので見逃さない事が肝心です。しかし当院受診前1~2週間前に神経内科に受診された際に、神経症状としての「食物の呑み込みが悪い」と問診表に記載されていた内容に注視すべきであったと考えます。神経症状が出現していた証です。私もあくまで「ギラン・バレー症候群(疑い)」で紹介状を書き、午前中の内に直ぐ受診して頂いたのも事実です。ホットしました。私自身関西医大付属病院眼科では直接診断した症例は0で、眼科では数例、内科からの受診も数例でした。私が唯一診察診断したのは、救命救急センター搬入例1例のみで、明らかな全身神経障害で呼吸障害も発症して居りました。内科と共同診療しましたが、25年前結果的に寝たきりに成られました。当時は何とか自発呼吸に戻れましたが、恐らくその後自発呼吸は消失し人工呼吸器に頼る事に成ったのではないかと予想します。 単純に「風邪ひきの痕の頭痛・めまい・耳鳴り」だけと決め付けず適切な検査を行い、必要蒔CT検査や脳電位図検査や脳髄液検査も要するかもしれないと疑ってかかる必要も在り得ます。極めて稀ですが、当院に実際来院された症例が居られましたので、ご注意下さい。
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