ステロイド点眼剤、抗生物質点眼剤、非ステロイド系消炎点眼剤
本年は学生学童のプール行事がほぼ無くなり、結膜炎治療が減りました。一方個人でのプール通いが増え、こちらでは問題が出て居ります。消毒用塩素の問題は通常ですが、意外と結膜炎と角膜炎の発症に注意です。
水に親和性がある最近の中で、「緑膿菌」は大敵です。菌自体は弱毒菌ですが、耐性菌であることが多く、眼科の点眼で抗生剤点眼は「ニューキノロン系」が第一選択であることが、その証明でもあります。通常内科的には「第三セフェム系」を第一選択とし、処方後改善がなければ排膿部分や標的組織の細菌培養を速やかに行い、有効性の高い抗生物質に直ぐに変更します。でなければ、耐性菌に育成したり、耐性菌を悪化させるので、「効かない抗生剤は、引っ込めろ。」です。無効抗生剤は、胃腸粘膜を荒らすだけで、有害です。眼科は、元々涙液で眼球表面が被覆されて居ますので、前眼病変(角膜・結膜・強膜等の疾患)では水分と仲の良い細菌が感染し易くかつ厄介者です。その為、効果が望める抗生剤点眼と消炎剤を併用する事が多いですが、当院はなるべく非ステロイド性消炎剤点眼を控えています。と申しますのも「角膜の傷」で治療する際、胃粘膜保護剤使用と同じく、非ステロイド系消炎鎮痛剤による「角膜の傷の増悪」を回避するために非ステロイド系消炎剤点眼を処方しないように心掛けています。むしろ患者さんとの信頼関係と理解度に依りますが、短期的にステロイド点眼剤を抗生物質点眼剤と併用する事が好ましい事も多いです。この場合、確実な再診と経過中の不慮の事態での電話等での問い合わせを約束して貰える患者さんとのみ行える処方です。ステロイドで炎症は直ぐに改善しますから、自己判断で抗生剤点眼を勝手に止めて、ステロイド点眼だけしているヒト達は、その後診察は御遠慮しています。処方したのは兎も角、私ですから、より感染症が悪化したり症状の増悪があった場合、揉めるだけですので信頼性の低いヒトと判断し、以後の診察診療は御遠慮する事が当医院にとってもそのヒトにとっても良い判断と考えます。「問い合わせは診察時間帯は必ず対応できます。何でも問い合わせて下さい。」と再診用紙に記載し、口頭でも診察医である私と窓口の職員複数人で念押ししていても、無視されるのであれば当方は対応出来兼ねます。緑膿菌は、大敵であり気を抜けない細菌です。
ちなみに常々辛かったのは、関西医科大学の救命救急センター勤務時代に熱傷の処置で、創部の壊死した組織を除去し清潔を保ち植皮を行う為の「熱傷バス(入浴)」を行っていました。水分は必ず創部に残ります、完全な水分除去は不可能ですので、後日培養で「緑膿菌」が発見されると以後の処置や計画が大きく変更に成り、受傷者の生命予後に影を落とします。適宜抗生物質の投与と一日容量と投与日数を指導医と綿密に打ち合わせてきました。眼科で緑膿菌感染が重視されますが、角膜の傷が合併する際の対応には、時折合点が行かない事もあります。
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