色覚検査
色覚異常についての問い合わせが何軒かありました。
全て男性。就職や受験における心配で来院されました。
一件、明白な色覚障害者が発見されました。
パイロットに成りたいので、航空大学を受験するつもりでいましたが、
今迄眼科検査を受けた事が無かったので受診しに来た、との事でした。
一般的な「石原式色覚表」で異常発見。
さらに当院にはパネルD15という検査が出来るので、行いました。
第2色弱が出る事が判明しました。
気の毒だが、事実を本人と母親に説明し、
「おそらく受験しても合格は厳しいと思います。一度希望大学に尋ねてみて下さい。」
と促しましたが、本人が母親に喰ってかかりました。
「小学校の時から、皆と見え方が違う見たいだと、何遍も言ってたのに、
御母さんは‘変な子ね、家には目の弱い子は居ないのよ’と
言ってまともに取り合わなかった。今に成って分かっても(彼は高校3年生)遅い。
僕の夢は、受験する前に駄目に成った。誰の責任だ。」と
激しく母親をなじりました。
実際もう随分前から「色覚バリアフリー」「色覚差別撤廃」をうたい、
小学校入学時の色覚検査を施行しなくなっています。
私も産業医・救命医をしていたので、
時々成人してからの職場でのトラブルを見てきました。
遺伝的疾患なので、治療法はありません。
後天的発症は極めて稀です。
男性の5%に見られるので、頻度は高いです。
この親子には仲裁に入り、後日必要があれば相談に乗ります、と解説しました。
差別問題根絶は大事だが、自分の状況をはっきり把握する事は
もっと大事ではないかと私は思います。
彼も事前に分かって居れば、幼少時から他の道を模索していたと思います。
大変気の毒でした。
緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!
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