視力矯正の問題

学校健診の判定用紙を持参し、「提出のために視力の記載を頼む」という依頼が例年の様に増えています。確かにスマートフォンの普及による若年者の視力低下は目立ちますが、それ以上の要因がゆっくりですが着実に増えています。

 動画サイトの視聴が急増し、従来通りゲームの長時間対戦が定着していますので、保護者に対して、「当たり前ですが、スマートフォンやタブレット・パソコンを見る場合の距離と時間を子供さんと決まりを作り、守らせるように指導教育してゆくことが肝心でしょう。」と先ず説明しています。しかし当院では半数が、「スマートフォンやタブレット・パソコンを子供は見ていない。」と返答されます。この様な御家族は、視力低下・矯正不全の原因検索が明確です。この様な御家族は、家族全員で家庭内の規則を互いに話し合い、合議制の下「きまり」を遵守されている、大変好ましい家庭だからです。中でも急速な成長は、当院でも直ぐに問診で判明しますから、問題無いのですが、そういった子供の成長がらみの変化が無い場合は、苦慮します。そういう時は、「学校・学外での問題」を検索します。保護者間の人間関係は、子供の視力矯正不全つまり、「いくら視力を出す為に色々なメガネのレンズを入れ替えてみても、視力の改善が成されない」状態を差します。多くは「心因性ストレス」による、「視力矯正不全」で、かつては大人に多く見られました。今は小学生低学年にも明らかに見られます。人間関係や親族との問題、習い事における子供本人と保護者の認識のズレ、大きく分けますと「習い事」に関するか関し無いかが問診の決め手になります。何れにせよ、保護者さんは、「自分の子供にとって良かれと思ってしていた事が、仇になっていた。」という事です。先ずは保護者の意識下の’思い‘を掘り返してみる事が肝要です。当然、「うちの家に限っては、子供に悪影響を及ぼす事は、何一つしていません。」と怒り狂う保護者もまま居られます。この時の保護者さんの「対応全てが、問題である事」を認識・意識出来ない事が全てで在る事に気付いて貰う様にはしています。意外と私の指摘直後に、「そうだったんだ。」と気付かれる方も多々居られます。こういう保護者さんは、対応の問題点と今後の対策を私に尋ねられますので、御家族それぞれの患者さん(御子さん)への対応変更点を二から三点御説明し、先ずそこから気を付けて対応される様にして頂きます。早ければ三カ月後程度で、視力矯正に問題が無くなる事が多いです。多くは半年毎に来院して頂き、翌年の学校用紙を受け取るまでは、問題無ければ定期検査は見送る様に御子さんに配慮しています。御子さんは、「私が問題なんだ。」と無言でいてもきっちり気付いており、眼科で保護者と医者が何か自分の事で話し合っていた事実を明確に記憶されていますから、改善した場合、敢えて「来なくても良いよ。」とさりげなく子供さんの見えない束縛を解いてしまう事が、子供さん本人の安心を生み、「自分で克服したんだ」という自信に結び付けると良いのです。習い事も保護者が「出来て欲しい」という欲求の下、子供さんが「付き合っていただけ」の状況が殆どですから、子供さんが「本当は遣りたいと今は考えていない」かどうかで、一時見直しをするかどうかを御家族で話合われる事が肝要です。幼い頃に身に付けた技術は大人になっても身について居る事は多いでしょうが、その代替として好ましくない記憶も御子さんに刻まれる事も多いです。ここを主体は誰か、という事に立ち返り熟考される事が良いという事を保護者さんに解説しています。

 社会の複雑化は、止まる事は無いでしょう。しかし人の進化はその速度には付いていけるとは思えません。技術進化の好ましい所を選択して取り入れて、好ましからぬ事はなるべく回避するしかありません。しかし使用上の問題から、避けて通れない事柄も多いので、そこがこれからの問題でしょう。利便性の追求は、不利益の増大との駆け引きかも知れません。

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