されど片頭痛

片頭痛合併で眼科・耳鼻咽喉科・アレルギー科の当院での治療に含めて治して欲しいという依頼が急増しております。片頭痛中心の特殊外来は行っていない事を前提に為さって頂きたい事を先に御伝えします。

 確かに眼科・耳鼻科・アレルギー科に合併する頭痛は通常認めますし、基本科目の治療で消退、治癒する事も多いです。眼科であれば、メガネの矯正不全全般に認めます。他には白内障や緑内障の進行による場合や、網膜等のフイルム部分の問題によるブドウ膜炎に原因がある症例は毎日居られますので、極普通の問題です。耳鼻咽喉科では典型例としては副鼻腔炎に合併する頭痛や中耳炎に合併する頭痛は主たる疾患を治療する事で速やかに改善します。同じく歯科的な障害に合併する頭痛も然りです。アレルギーに関しては、喘息の重責発作や匂いアレルギー、食物アレルギーや物質への接触アレルギー(体が触れる事全体)等は頭痛を併発する可能性は十分考慮するべきであり、問診で「過去に同じ様な経験は無かったか。どの様にして改善したか。」等を聞き出す事で治療法を導き出せる事も多々あります。常々ブログに記載して居りますが、「気候変動性障害」に片頭痛は必発ですので、問診が何よりの決め手になります。しかし他施設で「頭痛予防薬」や「消炎鎮痛剤」を既に処方されている上での受診者はなかなか治療が困難です。現在の頭痛薬の変遷を聞き出して、効果の変遷を聞き出し、更に他に治療している事に関する問診や主治医から紹介をほのめかされた事のある診療科に関しても聞き出す必要があります。これまでの主治医が、その患者さんに対して「どういった疾患・原因」を想定して治療薬を決定したかを推察しないといけません。あくまで推理ですので、確実なものではありませんが、頭痛に有りがちな「症状の変化・程度の変化」に翻弄されてしまって、既にかなりの深みに引き摺りこまれているかも知れません。原点に立ち返ると意外な打開策が見出される事も有りますが、逆に当院の様なチッポケな施設で悪戯に時間を無駄にしている時間がない場合もあり得ます。特に脳外科的頭痛は一刻を争います。これまでと当日の状況が全く別である事もあり得ます。付添い人が「いつもバファリンで治りますので、出して下さい。」と言われますが、瞳孔反応と本人の受け答えから「慢性硬膜外血腫」の疑いで脳外紹介しまして、その物の診断になり、早々に穿頭術を施行され直ぐに退院された高齢者も稀に居られます。通常と同じと決めつけるのは、危険です。

 ましてや高血圧合併者や心臓疾患合併者、更には糖尿病や高脂血症がある方の片頭痛は「頭痛」と決めつけない事です。くも膜下出血の予兆や先程の慢性硬膜外血腫であったり、脳出血が生じた直後であったりと、成人病は様々な事を想定する必要性が十分あります。軽く見積もらない事でしょう。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

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