問診は不可避な検査

連日めまい・耳鳴りの患者さんが来院されています。その際、内科等での治療内容は必ず御呈示下さい。中には既に「めまいの薬」が処方されている事も多々見受けます。内科受診中の患者さんは、お薬手帳や検査データを持参する事が常識です。

 高血圧治療中のめまいや耳鳴りは、脳外科や脳神経内科に先ず御紹介した方が無難な場合があります。甲状腺機能亢進症やその他ホルモン分泌亢進症も多くは、要注意です。無難に内服処方しては予定外の結果に至り兼ねませんので、患者さんの主治医に当院での問診纏めと診察経過の纏め、及び私の見解を紹介状に纏めて患者さんに手渡し、そちらで精査加療を御願する事も少なく在りません。そもそも患者さんもどうして先ずは主治医に相談しないのかと、思います。同じく毎日の様に来院されるのが、「咳が止まらない・喉が痛い・風邪気味だ」等を主訴とする電話問い合わせも無く予約も無いヒト達です。そもそも当院は「眼科」が主体で、アレルギーや成人病との関連で「耳鼻咽喉科」も行う事になり、その延長で「アレルギー科」も併設する事になりました。また「漢方」も「西洋薬のアレルギー」患者様が思いの他多い事に対応すべく導入したまでです。耳鼻科を主として行っては居りませんので、「耳垢だけ取れ」とか「喉の魚の骨を取れ」とか「補聴器を処方しろ」といった依頼に対しては、時間を割けませんし、対応する予約は開けられません。合併症を詳細に把握する為に診療部分が結果として耳鼻科領域だけであっても、一部患者から「何故こんなに細かく尋ねられるんだ。」と文句が出るほどに問診に時間を掛けるのです。当方も大変時間の無駄に成る事も多く、職員からも「この症例には問診に時間を掛ける必要は無いのではないか。」と進言される事も毎日多々あります。しかし中にはとんでもない疾患がベースにあり、その一部症状が頭をもたげ出してきた事が受診の切っ掛けになった症例も多く、当院の総合病院への紹介数は大変多い事に象徴されます。耳鼻咽喉科であっても内科の方が主体であり、そちらの検査診察を一度も受けていなかった事が原因であれば、「何故こんなに細かく尋ねられるんだ。」と文句を言われても構いませんし、日々私も診察室という現場で切磋琢磨しつつ修行を積んで居りますから面目躍如とも言えます。紹介後手術になったり入院・精査になったり、複数の診療科目を受診する事になったりは、日常茶飯です。こうした状況より問診は不可避な検査ではないでしょうか。それ故「問診が何より重要」な科目は、「内科」ですから、採血やレントゲン撮影よりも「問診第一」である事は明白です。つまり内科受診中の患者に対し、担当内科医は「お薬手帳を必ず他に施設を受診する際、持参しなさい。」と指導する事は常識と考えますし、患者もその程度は自分で認識すべきと思います。そういった常識に思い至らないのは、そのヒトの「認識の水準の低さ」に起因すると言えます。大人に成るまでに、社会常識を両親と保護者一同が十二分に教育すべきです。

 先日の衆議院選挙で「教育の無償化」を論点にして居りましたが、子供の教育に関わる関係者一同が「社会常識」を微に入り細に入り幼少時から躾けておいて、その後所謂教育に国家として投資すべきと思います。受診時の態度や応対一つで、そのヒトの「人となり」が瞬時に判断されますし、その第一印象は往々にして正しかった事が直ぐに判明してしまう程度のヒト達が如何にこの国に群れているかが、当院の環境に於いても詳細に判明します。それ故油断禁物ですから、予約診療中心にして、きちんと対応出来ないヒト達の診察は受けない様にこれからも徹底して行こうと思います。医学の中心は「内科」である事をお忘れなきように。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

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