たかがコンタクト、されどコンタクト

先週コンタクトレンズの無診察診療とその使用に因る眼科診療に関する保険診療の問題を久しぶりに記載しました。するとかなりの問い合わせがありました。特に10代20代のヒトの問い合わせよりも30から50代の問い合わせが多かったのには驚きました。

 まず前回のきっかけになった症例ですが、問題を起こしたヒトの勤務先の会社所属の保険団体に問い合わせて、本人であることを確認し、保険診療上の不正がある事を申しました。所属保険団体は「個人の問題ではあるが、診察を行った医療機関からの告発とみなし、当方所属の保険者に事実関係を尋ねて、是正勧告を行います。」という返答を受けました。予想通りそのヒトは、「言い掛かりだ。」と反抗した様ですが、保険所属団体から「あなたが記載した問診表に事実、記載されていますが、あなたは嘘の記載をするのですか。」と問い詰められ反抗的態度を取りながらも認めた様です。しかも実際は当院に来院した後、事実を偽り数カ所の眼科を渡り歩いて居た模様です。その間も医療承認番号の無いカラーコンタクトを使い続けていた模様で、所属の保険団体の担当者から厳しく叱責された旨、同担当者から当方へ連絡が入りました。つまりは世の中そんなに上手く行かない、という事です。この様な不幸に至らない為にも「不法行為」を行っているヒトは早々に真っ当な道に戻りましょう。何らかの契機が無いと人は、「これで良いか。他人にバレナイし。」とただただ流されるだけです。漂着した先は、予想だにしなかった‘地獄’という事もあり得ますから。

 なお昨今の問い合わせで中年世代の内容は、「自分の周囲(多くは子供)が、どうも保険証を渡して居ないのにカラーコンタクトを付けている。藤原のブログの内容と考えるべきか、心配だ。」です。恐らくは、保険証無しで医療機関を受診しますと少なくとも数千円掛りますので、学生やアルバイトの個人の保険証が無いヒトは困難であると推察されます。つまりは親の心配を他所に、子供達は自分の勝手でお安くつく抜け道を自分で見つけたか何かに唆されたか、選択したと考えるべきでしょう。昨今の若い世代はその成り立ちは理解できないのに器用にスマートフォンを使いこなせています。私は未だにネット自体ほぼしませんし、携帯電話のラクラク・フォンを愛用しています。様々なトラブルを考えて、不慣れな物に手を出さないのです。よく患者様から「毎週毎週、きっちりブログを書かれてますね。」と言われますが、かつて論文をかなり書きましたし、書類や依頼原稿は現在も相当数こなしますので、ワードは使えます。しかしネットとなると縁遠いですし、必然性が無ければ関わりに成りたくありません。そもそもネット社会は「丸裸で首から前後に個人情報を書いた看板を掛けて御堂筋を行き来するサンドイッチマンだ。」とかつて知人から聞かされた記憶があります。

 ネット社会は便利ですが、判断する受け手の人としての熟達度が鍵です。自制心と社会性、公共性と公平性、主観と客観を吐き違えると全てを失い兼ねません。「たかがコンタクト、されどコンタクト」とかつてコンタクトレンズ学会で私が発表を結んだ言葉です。

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