自己判断、自己治療、自己完結による弊害

今年の夏は、関西は暑さが目立ちそれなりの雨も在りましたが、関東は雨と冷夏で大変なようです。御盆明けに関東に帰省されていた方の夏風邪が急増しており、一部こじれており大変です

 実際は御盆前から風邪をひいて居て放置していた、という症例は判断が付き易くかつ、症状改善には日数を要します。しかし御盆が始まってから急に「風邪ひき」が生じた場合、原因が特定し難く対応に苦慮する事が多々あります。しかも大半が「市販薬」を服用しており、「治らないから診てくれ」という依頼が殆どですから、主だった症状は改善しており取り残された症状が目立つようになり根本治療の診断に水を差す結果に成る事がしばしばで、困ります。しかも薬局の対面販売で薬剤師さんと直接症状等について相談されての「第一類医薬品」の購入が殆どでして、患者さんから「薬剤師と細かく話し合って決めた薬でどうして治らないのか。」と質問されるのが最近の傾向です。医師も様々な医院を渡り歩いて来られた結果、当院に辿りつかれる患者さんも、同じ様に「どうして幾つもの医院を行っても何故きちんと治らないのか、自分は医師の指示の通りに治療している。」と御質問されますが、返答に困ります。そもそもごく初期の状態は一切把握できて居りませんし、各医院での治療の根拠が類推するしかありませんから、当院では「それについては当院では直ぐにお応えする事は無理でしょう。」と応対するしかありません。ヒトによっては、「ここも同じか(あるいは駄目か)。」と言われる事もあります。そういった場合、患者のキャラクターの問題が主たる原因であることも推測できますので、「であれば、当院で継続治療されても満足出来ないかも知れませんね。合わないと思われたら、これまでと同じく御自身で御本人に合うであろう医師をお探し下さい。なお当院は当院で最良の治療を御提案は致しますが。」と丁寧に返答しています。意外と多くのヒトがその後も通院されています。不思議です。事実症状が改善し、治癒に至る事も多いですし、原因が明確化してきた場合上部医療機関に紹介し更に望まれる検査や治療を施して貰う事も多々あります。何れにせよ、急性状態でなければ治療に時間を要する事は、明らかです。

 患者さんの知識も豊富になり、自己判断にて自己治療が完了する場合も増えておりますが、その自己完結が将来予期せぬ疾患を招く事の回避の機会を削いでしまった事もあり得ます。特にアレルギー、中でも喘息に関しては厳しい結果を高齢化してから招きかねません。必要不可欠な検査を行う事は当然としても、その患者さんによっては十分条件まで徹底して追求する事が望ましい場合もあり得ます。こういった判断は色々と主治医を自己判断で変更していた場合その時々の検査データと次回の検査予定等の計画が把握出来て居りませんので、初対面での判断は科学的には困難である事が多いと思われます。むしろ直ぐに正しい診断が下せた場合、「これまでの治療は何だったんだ。」という事になります。医師はそういった見逃しは殆どしません、だから国家試験に合格して認定されるのですから。

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