保護者も知識をアップデイト!!
先週頃からかなり下火になりましたが、今年も小児の「手足口病」が流行しまして、当院もその煽りを食いました。何よりも発病した小児を連れて来て、「目脂が酷い」と電話予約ではそれ以外の傷病について言及しなかったものの、当院職員が問診で初めて「手足口病で小児科にかかっている。しかも再診はしていない。」という事が発覚し、そうそうに受付を保留する症例が多々居りました。
これらの保護者はその疾患の内容を調べようともして居りませんでした。そもそも「手足口病の基礎知識として、ウイルス性疾患であり、接触により伝染する、小児も対象療法を中心とする以外治療法は確立していないが年齢が進むにつれ重症化する、このため高齢者の感染者は大変重症化する可能性が高いため感染した小児との接触をなるべく回避する必要がある」といったインターネットレベルで早々に記載がある日常基礎知識さえないまま、自分の子供を診てくれと自分達の権利のみ主張してくる保護者が多々います。責任としての保護者の管理と育児周辺知識の習得は、彼等からすると「親がわざわざすることか。社会が対処する事だろう。」といった居直り(逆切れ)の態度を見せます。一部の保護者は「今目医者として目脂を診れんのか。小児科は小児科で行く(1週間以上再診はしていないのに。)。何様や。」と窓口で罵りましたが、私が「見回して御覧。高齢者が多いだろ。君の子供を待合室の椅子に君の奥さんと1歳児とその荷物を横一列に座らせているが、その横になにも知らないで腰掛けて居られる常連の高齢者が見えるな。あの方は透析をされている緑内障患者だ。清潔第一。君の家族から感染したら当院の恥だが、他人様への配慮は君の家族には見られないのだな。意識が貧相なのは、子供に移るぞ。受付前だ。早々に小児科へ行け。治癒しているならば診察もするが、受付の許可も無くいきなり座って院内で1歳児に御菓子を食べさせるとは非常識極まりない。そもそも物を食った状態で、診察中吐き出したらどうする。感染源だろうが。」と激しく物申しましたところ、余程恥ずかしかったのでしょう、嫁と子供は早々に「すいませんでした。」と一礼し去りました。当人である夫は抜いた刀の納めどころが無いのでブツブツつぶやいて居りましたが、横に座っていたその御老人に、「あんたな、わし等はこの先生のこういうまともな所を信用してるのだ。あんたの子供が可愛いのはあんたらだけじゃ。他人は自分が一番大事じゃ。わしにうつさんといてくれ。」と厳しい一言を浴びせかけられました。丁度当院の職員がアルコール綿花でシートを拭こうとしていた所でして、その御老人が「ここはこういう所が他所と違うんじゃ。きっちりしとろう。だからここへ来るんじゃ。」と更にきつい一言が浴びせかけられました。その男は顔を強張らせて、「煩い。鬱陶しい。」と捨て台詞を残して去ってゆきました。なんと残りの患者さん方から小さな拍手がありました。
小児科の指導が足らないとおっしゃる患者さんの保護者も多いですが、保護者も自分達保護者・親の知識もアップ・ツー・デイトする必要があるのではないでしょうか。当院の受診者も自分で症状をネットで調べて自己診断をして来院される方が多いですが、間違っている事は多々あります。しかもネットの記載事項自体が疑わしい事も有り、正書(多くは出版されている教科書や辞典)は出典が明記されており極めて信頼性が高いです。世の中が複雑化しており、人の意識や認識が追いついて居ない現在、下手な知識を振りかざす事自体罪悪です。むしろ素人として専門家に「どうか教授して下さい。」という態度が欠如している事が、所謂「損した」状態になり兼ねないのが現代の病んだ状態と考えます。事実先程のネットで色々調べて自己診断を付けてこられる患者さんは当院に来院されるまでの他院他施設で同じ様な態度で受診されて、「あなたの御希望に添いましょう。」と医師から言われたが、治らないので当院へ来たという問診で発覚した症例が大変目立ちます。現在医師は「患者が希望する治療を優先する。」ようにかつての裁判事例で全員右に倣えです。医師が医学上科学上正しいと考える内容であっても、患者の選択の自由を人権上有意と判断されたのです。当然自発的選択を医師に告げた場合、本人の発現を中心に治療法を組み上げますので、なかなか治らない事もあると思いますが、御本人に選択権があるので仕方ない事でしょう。「治らない、治らない。」は自分が呼び込んだ運命かもしれませんね。私は以前もブログで述べましたが、「知らない事、迷っている事は、先ずプロに従え。」です。この選択はほぼほぼ間違いは無かったです。この世にプロとして名乗るヒトが、また認定する職種があるかは、予想通りであり、それらの肩書を有する専門職が生活してゆけるのは世間で必要とされているからです。
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