親の意識と子供の将来

先週のブログに関しての問い合わせと共に、耳鼻科的「学校用紙」を持参される事も増えて居ります。これからプールの授業が始まりますので、参加出来るかについての意見書です。

 「耳垢栓塞・副鼻腔炎・扁桃腺炎等」が学校の耳鼻科担当校医から指摘された学童さんが用紙を持参されます。稀に「滲出性中耳炎」等で鼓膜の内側に水が浸入されては困るので、「プール活動見合わせ」という事も有ります。しかし殆どは問題がありません。むしろ継続治療をされず、完治されていない学童とその保護者の問題が大きいです。殆どの保護者は、「また治療します。」という返答だけで、用紙記載以外関心は有りません。そういった保護者に、「これまでもこの用紙とは別で、耳鼻科治療をきちんとされていますか。」とそれとなく尋ねますと、「耳鼻科へ行っても治った事が無いから、治療させようとは思わない。」という返答が殆どです。当院を受診される耳鼻科関連の患者さんの多くが、「他の耳鼻科に年単位で通院したが、何ら良くならなかった。だから通院は止めた。一度こちらで治るかどうか確かめたい。」という理由で来られます。私は、通常の耳鼻科疾患は慢性疾患に成りますので、治癒は厳しい事を必ず申しております。一方「突発的疾患」は1日の受診時間を争い、発症直後の対処が明暗を分けますので、何とも難しい診療科目で在ります。「どうせ何をしても同じだから。」と諦めるのは、大人であれば自己責任で良いでしょう。しかし学童に対して「自己責任・自己判断」は迫れません。保護者の常識、価値判断が子供さんの将来を大きく左右する事は十二分に御自覚下さい。

 事実、社会人が毎年受診を義務付けられている会社の健康診断で「1000Hzと4000Hzの聴力検査」があり、受診後産業医らによる結果判定が必ずあります。聴力検診は、受験の検診とも同じです。それ故、聴力に「難あり」という「診断」を受けてしまう事で、「希望の職種に付けない、受験前に発覚」という事も想定すべきです。近年「色弱バリアフリー」の考えの下、小学校就学時検査での「色弱検査」が省かれました。差別撤廃の判断ですが、そのため色弱の判定がされないまま大学受験を迎え、希望の職種を断念せざる得ない事を

当院でも度々告知する事があります。多くの御家族は、「まさかうちの子に限って。」といった表情をされますが、色弱は男性の染色体障害が殆どで劣性遺伝ですから、検査以前に判明している事がほぼ100%です。これは保護者の知識不足と希望職種の応募要項を最低でも高校1年生には御確認されるべきであったと私から解説しています。逆上される事もあります。事前に情報を手にするどうかも、「教育内容」の一つと考えます。受験直前の事実発覚は応えると思います。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL