スギ花粉症の舌下免疫療法

 今もって風邪後の気管支炎・喘息が減らず、時々インフルエンザが混じる中、春の花粉症に関する舌下免疫療法に関する問い合わせがままあります。

 確かに私は「シダトレン(スギ花粉症の舌下免疫療法剤)」の指定医ですが、残念ながら現在まで治療を行った症例は御座いません。最初の診察と後日の解説で多くの患者さんが、免疫獲得の成功率と治療期間・通院回数、その保険料等諸々の関係で自ら辞退されて居られます。全員、「花粉飛散期間の予防と治療のみ」に変更されて通院されており、従来の治療に比べ、全面的に完結でかつ低予算で花粉時期を凌げて居られます。確かに舌下免疫療法は根本療法として好ましいですが、開始時期が問題です。体内に該当するアレルゲンを医療行為で与える事で、自己免疫におけるアレルギー反応を軽減させる治療法です。そのため該当するアレルゲンに曝露していない時期に治療を開始する必要があります。現在当院では既にスギ花粉の治療を開始されている患者さんも例年になく増えており、既にスギ花粉症の季節に突入したと解釈して居ります。つまり「スギ花粉症の舌下免疫療法」の開始時期を逸してしまっているので、患者さんにはお勧めして居りません。確実にスギ花粉症が発症しますし、症状はアレルゲンを確実に増やしますので重症化してもおかしく在りません、危険です。本年は多分5月中旬までは「スギ花粉症の舌下免疫療法」の受付は不可能と考えます。季節が終了後行うしかありません。

 同じく「ホコリアレルギーの舌下免疫療法」も対応しようかと考えていましたが、ホコリはアレルゲンとして常に在りますので、対象症例を十分検討してから開始する必要が増えます。季節性が無いと言う事はスギ花粉症の只中でスギ花粉の舌下免疫療法を開始する事と同じであり、当方がその危険度を検証する必要を感じます。その為、現在指定医になる為の講習は控えて居ります。ホコリアレルギーの治療を希望される患者さんの方が遥かに多いのですが、十分検討する余地があると考えて居ります。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL