新年早々に・・・

新年5日から開院致しましたが、早々に問題続出です。昨年に風邪を引いた後の咳が治らない、止まらないという新患が多数予約無しに来院して居ります。しかも発熱、かなりの高温で在るにも拘らず、「内科でなく、耳鼻科で治して欲しい。」と特に内科受診後のトラブル等無しで依頼して来るヒトがかなり居られて当惑しています。

 実際、風邪症状が治癒しての咳継続に関しては、薬剤投与で改善します。しかもこの様な症例には必ず解説して居ります。「風邪の後の咳が1月程長引く場合、きちんと治療し咳の鎮静化を図らないと高齢化してから約3から4割の症例で、本格的な気管支喘息に至ると学会で報告されて居ます。今回、一応の治癒を確実に獲得しましょう。これまでの経過を全て帳消しには出来ませんが、将来を見据えて以後頑張りましょう。」と。多くの患者さんは、「まさか。」といった表情です。甘く見ているのです。産後の喘息も一生涯の物になる可能性が高いですから、適宜治療をすべきです。一方昨年から今年年初めにかけての「高熱を伴う咳」に関しては、「マイコプラズマ肺炎」を強く疑いますので、耳鼻咽喉科くんだりでノロノロしている暇はありません。直ぐさま呼吸器内科へゴーです。「内科でなく、耳鼻科で治してくれ。」というヒト達の大半は、「風邪は耳鼻科へ行く方が、早く治る。」と他人から聞いて受診しているようです。確かに「溶連菌感染による喉頭蓋浮腫」による「呼吸障害による死」を想定して受診される患者さんも居られますが、まさに私が救命救急センターに居りました際、たまたま一例近隣の耳鼻科から院長自ら運び込まれ、気管支切開を行い一命を取り留めた事が在りました。その際もその院長先生も丁度受診されて「溶連菌感染による扁桃腺炎」と診断され、確定診断の検査をしていた際に容体が急変されての対応でした。耳鼻咽喉科の絶対救命疾患の代表例です。しかし全例が内科の一般的内服処方で治癒し難い訳では無く、むしろ患者さん方が「風邪」と決めつけて来院されている場合が如何に多いかです。当院でも「微熱が続き、咳も出てすっきりしない。痰も多く、呼吸が辛い。横になると気持ちが悪くなる。風邪と思うから治してくれ。」と来院されて患者さんとその家族を前に、「その前に心臓の病気は有りませんか。」と私が尋ねますと、全員でキッパリ「ありません。」と返答されました。聴診と血圧測定で「?」と思い、利尿剤を一日分処方し、直ぐに宝塚の心臓専門の病院に紹介しましたら、「心不全と心筋梗塞による、肺浮腫。それによる咳」と診断が着き、治療を開始されました。ありきたりでは在りませんが、頭から「咳」=「風邪」は問題です。ましてや「高熱(39度以上)」でフラフラの状態で、仕事や日常生活が大事なので粘りに粘った挙句、その日の内にスッキリ治してくれと「耳鼻科」来院は虫が良すぎます。実際近隣の呼吸器内科を配する総合病院へ紹介して居ります。適切な治療により解熱と鎮咳が可能に成り、その他呼吸器の合併症も治癒可能に成ります。

 後日談として、ヒトによると「マイコプラズマ肺炎」に対し基礎疾患として「気管支炎・気管支喘息」を持たれている症例が大多数ですが、稀に「糖尿病や糖尿病予備軍」の方や、「高血圧の治療不十分に起因する肺疾患」や「内分泌疾患や血液疾患・婦人科的疾患の合併」も発見される事もあり、細菌感染以外の原虫の感染としては何らかの「基礎疾患」に合併する事が診断される事も度々在る事、さらにこれを機に基礎疾患ときっちり向き合う治療開始の好機とされる事も多いです。これも教科書的問題です。特に珍しい事では在りません。

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