ストレス・チェック

 アレルギー障害が一段落してきました。ほっと一息着こうとしておりますと、全く考えもしなかった依頼・相談が起きています。会社での「ストレス・チェック」に関してです。

 会社員の皆さんは、御存じだと思いますが、一施設五十人以上所属している場合、全ての事業所で厚生労働省指導の下、社員・従業員全員が平成28年度11月末までに「ストレス・チェック・テスト」を終了する義務を課せられています。通常普通にコンピューター等の質問事項に応答して行けば問題無いのですが、一部の中小企業ではなかなか本当の返答が困難な職場環境であるという、相談を受けるのです。つまりまともに返答したら、殆どの社員・従業員が「過大ストレス状態」の判定を受ける事になり、結果は産業医を通じて個々人に通達されるに、止まります。が、小規模事業所では個人情報の管理が不完全な為に、指導対象者の直接の上司等が事業主から「○○君が、うつ状態の判定に成っているが、君は○○君に接するに当たり、何か心当たりは無いかね。」といった質問を受ける事も稀ではありません。勿論身体上の問題は直接把握するのは産業医ですが、当然事業主がその結果を産業医から聞かされますから、小規模事業所では筒抜けになります。しかも職員・従業員とその上司との関係は極めて密接しており、一度上司に知られますとなかなか御互い「知らなかった」とはうそぶく事も出来ないでしょう。国家の精神法応性は遵守する義務は有りますが、現場では順守出来ない事も多々あります。問題が生じた職員・従業員の方々で、元々当院の患者さんであった方々から、「素直に解答していいのか、心配だ。後になって上司との人間関係にギクシャクしないかと、大変心配です。どうしたものか、です。」という御質問です。私は産業医の立場で、「ストレス・チェックには正しく解答する事を御勧めします。御本人の身体状態の正しい把握は不可避であり、つまらない偽装をすると、後々精神神経疾患を発病しかねない事もあり得ます。通院治療を事前回避する為にも、素直に御回答される事を御勧めします。」と御返答しています。

 かつて小規模事業所の産業医をしていた際に、産業医活動を開始した初年度に、「神経症」の疑いを見付けた従業員さんが居られました。御本人に面談し、状況を説明しました。御本人は大変驚いて居られましたが、「薄々感じて居ました。」と御返答が有りました。上司の方も交え、勤務状況と勤務内容を検討しました。軽度鬱状態で、早々に心療内科に御紹介しまして、6カ月で通院を終了出来ました。その後は発症の兆候は無く、至って御健康です。会社の立場を考慮した場合、小細工をしない事が御本人と会社共に良好な関係を維持できると考えます

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