思わぬ物がアレルゲンに!

 秋のイネ・菊科の花粉症が一段落着く時期になった筈ですが、現在も毎日新患の受診が止まりません。昨年・一昨年同様、「目の痒み・くしゃみ・鼻水・鼻詰り」と共に「咳が止まらない・皮膚の痒み・めまいと耳鳴り」といった併発症状が治らないという理由での受診が殆どです。

 どの症例も主訴に沿う様に薬剤を変更しましたら特に治らないと言う事は有りませんでしたし、有りません。一番重い症状に焦点を置いて、かつ一番軽度の症状とのギャップを問診で突き詰めて行くと一律の治療法では対応出来ない場合も発見されます。つまり患者さんや前医は「秋の花粉症」と考えて治療をされて居ますが、元々存在した軽度のアトピー性皮膚炎や気管支喘息が殆ど気付かれずに放置されて居たのが「秋の花粉症」の発症で一気に曝露されたという経緯での重症化が大半を占めます。当然ベースになっているアレルギー疾患を制御出来る薬剤と加療法を先ず処方し、付随する症状へは前医で処方された薬剤の残りも適応させて治療します。意外と早く症状軽減は可能です。しかし根本のアレルギー疾患がどうして今現在顕在化したのかはなかなか解決を見ません。つまり本人も気にしない状態が長く続いて居たので、問診で聞きだす事自体が苦労しており、「そういえば・・・」といった反応だからです。この様な状況ですからアレルギーが発症した原因も自覚がない為に全く身に覚えが無い事が殆どです。確かに症状が鎮静化すれば万事OKかも知れませんが、当院に受診希望される患者さんは、「どうしてかを知りたい。そして今後に役立てたい。」という強い思いで来られる方が多いので、担当する私も難渋しています。ケース・バイ・ケースですが、現在の治療が一旦終了出来た場合に、それぞれの患者さんの状況に合わせて、軽い薬剤で継続治療を試みたり、一時的に薬剤を切って静観する事を勧めたり、適切な上部医療機関を紹介したりと、色々と対策を立てている所です。アレルギーは自己防衛の暴発ですから、実際の処どの様に広がるかは鎮静化してからの検証が一番大事であり、その検証結果を踏まえて未来予想を立てて対策を打ち出すしかないのが現実です。

 ただ中には思わぬ日常物質や製品、薬剤成分等でゆっくりとあるいは急激にアレルギーを発症する症例も居られます。その様な場合は、あくまで私の勘ですが、大学病院のアレルギー科での血液検査を元解明して行ける事も有ります。何時の間にか長年使用していた物がアレルゲンに急変する事も有りますので、ここでも問診が肝心です。実際はなかなかアレルゲンの特定には至らない事が殆どですが。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

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