川崎病
今年の初めから数例川崎病の患者さんが来られて居ります。勿論受診時には診断がついており、保護者から「川崎病の子供ですが、診て貰えますか。」という予約診療の依頼から始まっています。
ちなみに「川崎病」とは、
4歳以下の乳幼児に発症し、原因不明の中小動脈血管炎が全身に拡大する急性熱性疾患で、主症状は以下の6つ
・5日以上継続する発熱
・両眼の球結膜の充血(白目が真っ赤になる)
・口唇が紅張(赤く腫れる)し、イチゴ舌
・全身の不定型発疹
・四肢末端の変化
・非化膿性頸部リンパ節主張
このうち、5つ以上を認める状態を診断基準とする。
難治性疾患であり、何よりも心臓の問題が生涯関与する点が厳しいです。しかし予防剤としてのバイアスピリン(小児用バファリン)で血栓予防を丁寧に行い不整脈や冠動脈障害を回避出来れば、日々の治療は恐れる必要は有りません。ただ消炎鎮痛剤の使用には神経を使います。また小児科や循環器科入院中に「ステロイド・パルス療法(短期間大量投与)」を行ったかどうか、その期間と使用したステロイドとその総量を把握しないと患児との対応が厳しくなります。ある患児の保護者が「目で来ただけなのに何でそんなに煩く聞かれるんだ。」と喚かれた事がありましたが、その患児は「結膜症状が川崎病の診断項目を満たして居た」という事が私の問診ではっきりし、いきなり息巻いた父親と母親が、「すいませんでした。忘れてました。」と謝罪する事に成りました。ちなみにこの患児の主治医は川崎病の診断基準の大項目5つについて全く説明して居らず、しかも診断基準がその内の4つ以上であり、3つ以下であった場合は心エコーや採血内容での判断による事も一度も解説せずに治療してきた事が発覚しました。私がそれぞれ解説し、その患児がどの項目に該当し、血液データのどこがまずかったのかを説明し、主治医に治療内容、特に使用薬剤を聞き出す様に指導しました。その後何かあると私に電話がかかる様になりました。
国試では必ず出題される疾患ですが、診療科目によっては殆ど目にする事が無いことも多いです。しかし患者と患者関係者には詳細を主治医からきちんと述べるべき疾患である事は今後も変わりません。たまたま救命救急時代に交通外傷で搬送された患者さんが川崎病で、搬送後対応しつつデータに不明な点が発見され出して診断がついて大きく治療の舵を切った覚えが有ります。退院時彼に「出来れば財布に’川崎病・治療内容‘を書いた用紙を折りたたんで入れておくと役に立つよ。同じく血液型は○○Rh○である事も記載した方が良いよ。」と説明しました
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