個々人の心持ちの崩壊が、大きな破綻の序章
一昨年、昨年同様、本年もスギ系花粉症のこじれた患者さんが毎日来院されます。実際アレルゲン採血でも「イネ・ヨモギ・キク科」等の花粉は陰性で「スギ・ヒノキ」といったスギ科のみ陽性の方が殆どです。
多くの患者さんは近隣の耳鼻科・内科に通院していたようですが、「くしゃみ・鼻水・鼻詰り・目の痒み」といった花粉症特有の症状を適宜改善する水準で時々治療しており、継続し徹底的な治療は一度もしていないと問診で判明して居ります。「その場しのぎ」を全ての疾患・症状に対しても同じ様に繰り返して居り、医師から「治癒、通院終了」を宣言された経験が無いため、「どうして通院を続けないといけないのか、分からない。」と平然と訴えられる症例も後を絶ちません。つまり義務教育で習う「完了」の概念が無いのです。完了は自己判断で済む場合がありますが、特定の権威者を経由する場合は該当する権威者からの完了手続きを要する事が分からないのです。実際、自分は自動車の運転が得意だから、しかも無事故無違反だから運転免許の更新は必要が無いと言い放つヒトが時折居りますが、免許証の更新を管轄窓口で費用を払って行わなければ違反行為になります。法的に規制されているので多くのヒトは理解されて居ますが、診察の継続は違反行為ではありません。そのため適当に自覚症状が改善すれば、通院は止めてしまいがちです。そのため日本では「抗生物質大国」である為に結果として、「抗生物質耐性菌大国」に成り下がっているのです。きちんと治癒まで確認しないで通院中止を行った所で、再発したら結局診察を受けるしかないのであり、状況を重ねる事で改善の機会をどんどん先延ばしにしており、何れ手に負えない状況に至る可能性を自ら引き寄せているのです。まるでこの国の借金の状況と同じで、個々人と国ぐるみで「けじめ」が無い事で予定通り想定通り追い込まれてしまうのです。「自分達はユーロのどこかの国の様に経済破綻をする筈が無い。」とか「日本人はまともな民族なので、国が滅ぶ事等あり得ない。」と思っている事が幻想であり、国家が滅ぶ直前の政治経済状況が似通って御居ります。個々人の心持ちの崩壊が、大きな破綻の序章であり、十分その時期に達していると私は感じて居ります。
この様なヒトビトも当院に来院されて治療を希望される事は問題ありません。しかしきちんと完治されないで放置される事が通例であるヒトは、当院では以後診察行為を御遠慮させて頂いて居ります。診察しますとその患者に対して、治療の義務を医師は負います。患者として対応しかねるヒトに対し、当院で受診を拒否したとしても、これと言って問題は生じません。個人医院ですので、当院での総合的判断による「合う合わない」で初診時の受診受付拒否は非合法ではありませんから、悪しからず、です。この方針はこれまで同様貫いて参る所存です。中には何とかして受診しようとするヒトが居られますが、他にも沢山診療所はあるはずです、当方から拒否されてそれでも何とか診察して欲しいというのならば、最初の対応を悔い改められる事が肝要です。恐らくは診察をしてくれる医院はあるでしょうが、実際歓迎はされて居ないと推察します。患者は御客ではありません、患者は受診対象者でしかありません。医者は客商売者ではありません、医者は診察施行者です。
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