舌下免疫療法について

今春もスギ花粉症に引っ掻き回されました。しかもインフルエンザの波状攻撃で、惨憺たる思いです。今の時期にスギ花粉の舌下免疫療法についてたずねて来られる患者さんが意外に多いです。

 確かに当院は、「スギ花粉症の舌下免疫療法」の資格登録医院です。しかし当院での希望者も本年は一切行って居りません。時間と手間がかかり過ぎる事は仕方がありませんが、必ずしも完治するとは言えない事がリスクです。医師としては患者さん方に「減感作療法等で、症状の軽減は勿論見られる筈です。しかし毎月の治療を2から5年継続しても、必ずしもスギ花粉症が完治する確実な保証は無い。」旨を事前に告知するしかありません。多くのスギ花粉症患者さんは、「スギ舌下免疫療法はスギ花粉症の根治療法だ。」と思い込んでいる事が予想外に多いです。治るものだと勝手に思い込んでいる為に、「必ずしも完治するとは言えない。」という医師の説明は、落胆以外の何物でもないと思います。しかし医師からすると、「世の中に全員に効く薬や治療法はほぼ無い。」という常識が世間では理解されない事へのギャップが理解しかねる状況と言えます。だからこそ最近は「患者さん一人一人への‘個別療法’の確立」が急がれているのです。

 TV報道や新聞紙面での表現にも過度な期待を煽るような表現など見た覚えが無い。意味内容の一部、自分達に都合が良い事を過大評価しない事が大切です。実際、「私、加齢性黄班変性症と診断されたのですが、iPS細胞で治して貰えませんか。」と当院へやって来られる患者さんも居られます。現在治療許可承認の手続きまでである事さえ、御理解されて居ない。大変嘆かわしい事です。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

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