危機一髪
最近は花粉症の発症が一斉に始まり、これまで診察を躊躇していた患者さんが急増しています。しかもインフルエンザA型・B型が合併している症例もあり、院内の対応が大変です。
インフルエンザについては、予約受付時に「恐らくインフルエンザウィルス感染だと推測します。色々と告知していますが、先ずは内科受診される方が宜しいでしょう。また学校等への書類は当院では扱って居りませんので、診断書しか出せませんよ。」と丁重にお断りしています。しかし内科小児科で「インフルエンザ治癒」と再診時診断された後も咳や喉の不調を感じられる症例は、まさに当院の治療対象ですから積極的に診察をお受けして居ります。なおかつ中耳炎や結膜充血を併発している患者さんの受診はより積極的に受け入れて居ります。この際他の科、内科・整形外科・産婦人科・泌尿器科・皮膚科・歯科等に通院治療していないか、個々少なくとも半年から一年間の受診歴治療歴は無かったかを、きちんと問診へ記載して下さい。実際の症例で、危機一髪のケースが在りました。「インフルエンザの治療をしたが、10日以上経っても咳が治らない。しかも充血が生じ、喉が酷く痛み熱感が酷い。」という主訴で来院された患者さんが居られました。問診には「他治療歴・通院歴:無し」と記載されて居ました。診察時、入院が必要なくらい重症の扁桃腺炎と中耳炎を発症しており、充血は「カタル症状」の一環としてカゼ症候群(インフルエンザ含む)に極普通に併発する状況でした。咳は「かぜ喘息」であり、以前からも風邪が治癒しても咳だけが1月程続く状態でした。しかし問題はとんでもない「重度の扁桃腺炎」でして、子供の頃から常々扁桃腺炎を治療しては適当に放置する事をこの患者さんも繰り返していたのです。扁桃腺炎が繰り返され、完治ししないまま放置していると感染源の細菌により「腎障害」をゆっくり確実に生じてしまう事もあります、稀ではありません、かなりの頻度で見られます。この症例に腎障害の既往を尋ねると、何と「腎不全で透析をしている」事実を初めて喋り出しました。大きな嘘つきです。危うく見逃してしまいそうでした。主治医に紹介状を書いて、抗生剤の選択と入院を含めての別の紹介状を大学病院宛てに記載し、患者をきちんと管理して貰う様にそれぞれの施設に御願しました。近々扁桃腺切除と、これまでの扁桃腺炎での腎障害発症が疑われる事を透析担当の主治医にも初めて理解して貰えました。まさに危機一髪でした。
「町医者で適当に治してくれたら良いんだ。」程度の発想が、自分の命を危険にさらしてしまう事もあります。自己責任ですが、透析などになりその後様々な合併症により生活保護者にでも成ってしまいますと、未然に防げた事で仕事が出来なくなり他の市民の税金を使う事になる、ある意味社会の迷惑です。安易な判断が、社会全体の迷惑になり兼ねない事を自覚する事が大事です。
緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。