迅速で確実な完結した診察受診を心掛ける

 退院後業務復帰2週間になりますが、今年も「風邪症候群」の季節に入りました。12月になっても妙に暖かい事もあり、治療を軽んじている症例が殆どです。しかも、風邪症状と称して来院する患者さんの殆どが「気管支炎と副鼻腔炎の合併」であり、しかも2から4週間放置していたか他院で治療していても改善しないままであった症例が殆どです。

 成人は自己責任ですからどのタイミングで、どこの医療施設を受診し、どの様な治療を受け、どの様な状況で再診を止めるか等は自分で決めればいい事です。私が普段申して居る文言を適応すれば「医師から治癒の告知があるまでは、症状の改善だけであり、完治出は無い」とは言いたいですが、多くのヒトは、「良くなったからカゼ如きで医者に再診する事は無い」と判断しており、敢えて自己判断に厳しく物申す事は現代に於いてナンセンスでもあります。医者がその権威を失い、ネットで知識が氾濫する中、自己判断が個人の自由に則しているのでしょう、権威者の言葉等馬の耳に念仏です。しかし今回も一症例重大な事態が生じました。30歳後半の男性で、土日に全く電話予約など無くいきなり「喉が痛い、1月以上治らない。酷い熱があり仕事があるから何とかしろ。」と大変横柄な態度で受診してきました。事実40℃程の熱でしたが、本人は「子供の頃から扁桃腺炎は年に数回あり、その都度治療しては改善して来た。今回も特に変わりは無い。何時も高熱が出るし、これも御決まりの症状の一つだ。」とケラケラ笑っていました。珍談は「溶連菌感染性扁桃腺炎」でしたが、どうも全身に少しムクミ(浮腫)を認め、「最近頻尿と残尿感は無いですか。」と問うと、「そうそう、そういえば酷いんだ。しかも排尿後細かい泡が大量に出て消えない。」との返答でした。直ぐに近隣の総合病院の耳鼻咽喉科と腎臓内科に紹介状を作成しました。本人は「俺はこんなもの要らん。何で病院へ行かんと駄目なんじゃ。」等と息巻いていましたが、私から「古来、頻繁に扁桃腺炎が生じ、完治せずに放置していると、腎疾患になる事珍しくない。一度腎臓内科を受診するのは意味がある。当然扁桃腺肥大の除去も考えて、きちんと耳鼻咽喉科で手術も検討すべきだ。もう事態はかなり悪いかも知れない。」と医師としての良識の下、解説のみしました。後日総合病院から連名で返答があり、「指摘通り、既に腎不全で透析直前の状態であり、一部心不全もみられる。扁桃腺の切除も含め、全身状態を改善すべく緊急入院させました。」との事。

 最近小児の「扁桃腺炎が遷延化し、風邪も治らないから診て欲しい」という受診理由が多いですが、保護者の現状認識が甘い子供達の診断状況は大変悲惨です。この様な保護者達は「解熱し、症状が安定したらどうして再診しないといけないのか、理解できない。医者は何度も何度も診察させて、そのくせ特に解説もせず、素早く良くする薬も出さず、患者と家族は迷惑だ。」と主張します。当院での問診と診察、解説や経過目標について事前に他の患者さんから聞いて予約診療に参加された患者さんは、前述の様な事は全く仰いません。適当な対応を受けたのが先か、適当に判断したのが先かは存じませんが、医師と患者の好ましい関係性が構築されていない症例は、その子供たちの将来が前述した症例の様な思わぬ結末を辿る事もあり、それは医療側の問題でもあり、同時に国民側の問題でもあると思います。少子化が問題視される中、共働きで子供に対する時間と経費の掛け方が厳しい時代だからこそ、迅速で確実な完結した診察受診を心掛けるべきだと痛感します。

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