ヘルペスは免疫の活性化が治療の最適化
最近半年間である一定数のヘルペス感染症患者の受診があります。多いのは眼瞼ヘルペスと口唇ヘルペスですが、三叉神経痛や肋間神経痛を伴う顔面ヘルペスの患者さんも見られます。
ヘルペスは元々その罹患率が世界的に97%程度を言われ続けており、幼少時の「水疱瘡(風疹)」が原因です。一度罹患したヘルペス・ウィルスですが、神経系の周辺に潜みまた自分から一部分身としての抗体を生産し、宿主たるヒトの免疫系のレベルダウン=体調不良に付け込んで、再度爆発的に活動を再開する事が、主たる発症原因です。そのため私が常に申しております通り免疫の活性化が治療の最適化と言えます。自己免疫の向上が抗ウィルス対策に必要不可欠である事は自明の理ですが、その為に必要な蛋白質の摂取も注意して日々行う事が重要です。抗体やNK細胞(ナチュラル・キラー細胞:非自己たる異物を分け隔てなく攻撃する免疫系の基本細胞)の形成の大元は蛋白質ですから、質の良い蛋白質を摂取し、十分消化し、腸から吸収し体内の細胞により作成される事が大事です。特にヘルペスは確実に薬剤で撃退出来るウィルスですので、通院治療と精神的肉体的疲労状態を改善すれば早々に消退しうる事を覚えておいて下さい。しかし抗ヘルペス・ウィルス製剤は無尽蔵には使えません。約20日程度内服通院で治療を終える必要があります。そのため軽症・発症初期に受診される様に勧めております。痛みが激しく症状が進行している場合、通院含め日常生活に支障を来している症例が多いので、ご本人とご家族と面談して要望があれば総合病院に入院治療を御紹介しています。この場合は全身管理を要する抗ヘルペス・ウィルス製剤の点滴治療とペインクリニックを要する状況だと考えて下さい。腎機能障害との戦いになりますので、点滴と採血が大事です。ちなみに抗ヘルペス・ウィルス製剤は、細胞毒でもありますから腎臓や肝臓への負担もありますし、何より静脈点滴の際血管炎を引き起こし血管がボロボロになりかねませんので点滴だけでも大変苦痛です。
神経系の支配部位と神経の走行に沿ってヘルペス・ウィルスとその抗体などが増殖しますので、顔面と背中の中心部を中心に左右どちらかの側にのみ発症します。顔面の中央を超えて反対側に侵入する事は実際稀です。
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