採血の必然性
稀な事ですが、「眼底出血」対策としてのバイアスピリン(小児用ヴァファリン)を内服中の患者さんの鼻出血・眼底再出血・球結膜下出血の治療依頼がこの春増えていた様に感じます。
例年冬場に様々な出血が多くなる傾向にありましたが、本年度は「かつて脳梗塞・心筋梗塞・くも膜下出血術後・心臓冠動脈バイパス術後・網膜下出血や網膜分子静脈閉塞症・糖尿病性網膜症等の網膜血管閉塞状態」等で、血栓対策としてのバイアスピリンやワーファリン内服中の患者さんにおかれては、様々な血管壁へのストレスにより血管壁破綻による「出血」が生じ易いです。その為、それぞれの主治医宛てに「現在の出血時間等はどの様な状態でしょうか。当方で血管強化剤(出血吸収剤)をある程度処方する必要がありますが。」と患者さんの納得出来る、それでいて主治医がヘソを曲げない程度の内服を処方しながら紹介状を出します。しかし多くの脳外科医・心臓外科医や循環器内科医の主治医からは「内服は自分の担当レベルから、○○mg/日程度までならば問題は無いです。それ以上の処方量になると治療の趣旨たる抗血栓療法の効果が期待出来なくなります。」という返答があります。その際、丁寧な主治医は「出血時間・PT・APTT」と血液の凝固レベルの殆どの指標をコピーして返信して下さいます。全身疾患としての内科外科の面目躍如といえます。しかし眼科医が主治医である場合、「先生にお任せします。」程度の返答が戻ってきたらよい方で、酷ければ「今後そちらで診て下さい。責任持ちかねます。」という返答が数例ありました。しかも再度尋ねた場合、「出血時間ですか。採血して確認した事がありません。」という大胆な返答を受けた事も数例ありました。血小板と血管壁の対応度合いや、患者さんの止血状態の指標を把握しないままでの予防治療もどきを行っている眼科医が案外多いという事が分かりました。これは由々しき事です。眼科で採血というのは患者さんも嫌がりますし、主治医が言い出す事も気が引けるとは思いますが、現在の治療の必然性と未来の継続治療の見込みを定める上で当たり前に測定しておく必然性があります。
じんましんの診断がある場合、ある程度の期間抗生剤や消炎剤を使用した症例に対して当院では適宜肝機能検査等を行っています。炎症反応の発見と治療と免疫系の解離程度は採血しないと判明しません。
緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!
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