患者さん方から教わる事は大変多いです。
先月末の黄砂・PM2.5とスギ花粉症の複雑な混合状態がなかなか改善せず、そのまま引き摺っている様に感じます。
例年通り早期初期の内にスギ花粉症対策を講じた患者さんは本年も軽症化しており、恐らく舌下免疫療法に想定する程度の改善と推測します。内服・点鼻・点眼・ステロイド軟膏(アトピー症状へ使用)・吸入薬(喘息症状への使用)ともかつての治療内容に比較し、約半分程度で著効しています。一方症状が確立確定してからの受診者は残念ながら、年々必要とする薬剤の高濃度化・使用量の頻回多量化が進んでいます。特に本年初診の花粉症患者さん(この時期なので花粉症としましたが、アレルギー性鼻炎と他のアレルギー症状の患者さんと考えて下さい)に限定しますと、「はたしてスギ花粉症だけでしょうか。慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎、慢性のアレルギー性結膜炎、むしろ全身性アトピー症状の増悪と考えた方が良いのではないか。」といった感触です。つまり「スギ花粉のアレルギー症状だけで、ましてやスギ花粉の治療が本格化した時期であるだけで、これ程の症状・状態には成り得ない筈」といった臨床状況を呈して居られるという事です。或いは「基本はスギ花粉症であるが、毎年自覚症状がある時だけ診察し投薬を受けるが、自覚症状が消失したり軽減すると治療を自己判断で中止してしまい、その結果ある程度鼻炎が慢性化し副鼻腔炎に至り、他症状も即発し出して居る」症例も多々居られると推測します。意外と「自己判断」で全て解決される方々は、医療だけでなく身の回りの事全てに「自己判断」中心の生活をされていますので、科学的一般論に馴染まないと考えます。つまり「自分が治った(良い)という感じだから、医者の指示に全て従う必要は無い」という方々です。この様な患者さんは問診段階で直ぐに分かります。自分の関心のある事柄ばかり記載し、当院の職員が「他にも重要となる事柄を質問しますからお答え下さい。」と問診を展開していても、当方の質問には適当に返答し、一部自己の関心のある事に必要以上に喋る(返答ではありません)方です。なかでもこれまで適当に通院受診して来られましたので、「治療内容・治療薬の内容を記載して下さい、教えて下さい。」と問診しても「分からん。記憶していない。お薬手帳や薬剤情報なんて持ってないし捨てた。」という返答が殆どです。まさに前述した手堅い早期受診早期治療を行われる患者さんと対極に居られますので、治療は行い難いです。大抵の場合、「医師のお勧め薬剤フルコース」で対応しますが、中には「点鼻だけで良い・内服は2種だけにして欲しい・一括で2カ月分出してくれ。」等苦笑してしまいそうなトボケタ発現をなさる方も居られ、大変困ります。自己判断というより「医師にアラカルトを科学的医学的根拠無しに頼むツウモドキ」です。患者さんの希望は取り入れますが、処方責任は法的に私医師に掛って来ますので、「ますはこの程度で為して下さい。ご本人の意に副わないと思われましたら、他院へ今後受診される事をお勧めします。」と丁重にお断り致しております。
不思議な物で、上記の様な患者さんも約半分は「貴方の仰る意味が分かった。これからはきちんと治療するから、次も診て欲しい。」と来院されます。その方々の御意見は「医師がここまで厳しく煩くあれこれ聞かれなかったし、治療方針も診察室できちんと説明された事がなかった。」という事です。医師医療関係者も患者さんとの診察診療形態の見直しを図るべきだと感じます。患者さん方から教わる事は大変多いです。
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