治癒宣言
最近少し気になる事が続きましたので、記載します。内科・耳鼻科等で花粉症の治療薬を処方されていた患者さんの中で、眼症状に対し抗アレルギー剤と痒み止めの為の「ステロイド点眼剤」が処方されていた場合、眼科で眼圧検査を適切に行うべきと考えます。
点眼剤に限らず内服剤や点鼻薬等にステロイド剤が含まれている場合、「ステロイド性高眼圧症」を発症している患者さんが時々散見されます。眼科では眼圧検査が出来ますが、眼圧測定が出来ない施設で安直にステロイド処方を行いますと何時の間にか眼圧が上昇しており、そのまま見過ごしていると症状が固定し「ステロイド誘発型緑内障」が完成し、視野がそうとう欠損してしまっている事が稀にあります。大変揉めます。私は事実だけを患者さんと関係者に御説明しますが、ステロイド誘発型高眼圧症は発症率不明です。先ず個人の体質・容量依存体質等諸説があり、確立した結論には至っていません。数回点眼しただけでいきなり緑内障発作(経験した事が無い頭痛・患眼の破裂する様な眼痛・それに伴う嘔吐や悪心(吐き気))を生ずる事もあります。その為「患者の主訴もあり、何かあれば眼科受診するように促せば良いか」という安直な考えで低用量ステロイド点眼を処方し放置していますと、正常眼圧のままゆっくりと緑内障を完成してしまった、という症例が殆どです。眼痛・頭痛を体験される場合は眼科も助かります、受診されますから。しかし問診で使用が発覚した場合、眼圧検査を了承して貰う必要がありかつ、場合によっては視野検査を促す必要があり、多くの患者さんは「何でそこまでする必要があるのか理解できない。」と反発を買います。この様な「正常眼圧緑内障」が増加していると想定されます。この様な症例は正確に問診して参りますと思いの外居られます。特に高齢者で「目脂・白内障・目の痒みや違和感」等で内科等で点眼薬が処方されている症例に目立ちます。
薬剤は処方した医師の責任ですから、後日の副作用についても処方した医師に責任があります。しかし処方された患者もきちんと再診し自分自身が積極的に通院再診し落ち度が無い事を確立していない、再診など無く放置している場合等は処方した医師と同罪でともに「まあいいか・適当・その場しのぎ」的状況と言えます。滅多に起こらないと言う事は個人個人に対しては全く保障されない一般通念でしかありません。「起これば全て」です。治療する側も、治療される側も共に適度の緊張感と協調性を持ち、丁寧な後日検証を行う必要があると考えます。当院で言う「先ずは本日で、治癒。暫くは大丈夫。しかし何か気になる事があれば直ぐに受診して下さい。」と必ず申し上げている‘治癒宣言’です。
緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!
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