スギ花粉症
本年もとうとう春のスギ花粉症が厳しいです。関東は例年の3倍近くと地獄ですが、関西も1.2~1.5倍程度とまずまず大変です。鼻症状と眼症状は当然ですが、喘息様症状とアトピー性皮膚炎症状が合併し、大変です。さらに元々アレルギー性鼻炎・慢性鼻炎の患者さんに於かれては、「副鼻腔炎(蓄膿症)」を合併していて、「鼻症状」の単純な治療では何とも対処し難い症例が随分目立ちます。
やはり問診にて「常に鼻水が出ているが、幼少時からであり、気にしていない。」とか「過去に度々耳鼻科で治療したが、治った例が無い。」という返答が多く、慢性鼻炎状態を無視しておられる患者さんが急増しています。この様な患者さんの大半が、「くしゃみ・鼻水・鼻詰り、だから今の自分の症状は花粉症だ。」と自己判断されています。この様な方には「鼻汁検査」を勧めています。実際「アレルギーというより、副鼻腔炎(蓄膿症)」という分析結果が出る症例が思いの外多いです。その結果を解説しますと、当の本人は「えっ、本当。これ迄春先の鼻炎はいきなり花粉症と耳鼻科で言われて、アレルギーの内服と点鼻薬を出されていた。しかもこんな検査はした事もないし、説明を受けた事もない。」という反応が殆どです。お気づきでしょうか、耳鼻科で花粉症と診断されているのに「眼科的治療」はされていない患者さんが殆どです。つまり眼症状は出ていないのであり、必ずしも花粉症とは限らないと疑う必要があります。当然「眼症状が全く発症しない花粉症」もいらっしゃいますが、稀です。逆に「眼症状ばかり重症で鼻症状は全く出ない」という花粉症患者さんは殆ど経験しません。時に何らかの抗アレルギー剤の内服を既に行われており、花粉時期に目立った花粉症状を経験しないという患者さんは沢山居られるでしょうが、この場合既に加療されていますので、花粉症患者です。一方「鼻閉が酷い。くしゃみより鼻汁が気になる」という症状であれば「副鼻腔炎」である事が疑われます。そのため眼症状を尋ねられて「無いです」という返答があれば、花粉症については合併するかもしれないが原疾患は「副鼻腔炎」である事が強く疑われます。
副鼻腔炎は感染症ですから、抗アレルギー剤だけでの治癒は見込めません。抗生剤の投与は基本ですし、殺した細菌の死骸や白血球の死骸を体外へ排出する消炎剤を比較的長期に渡り内服する必要があります。
副鼻腔炎の治療は1カ月では困難な症例が殆どですので、根気強く治療する様に解説と励ます事は必須です。しかも胃腸症状を伴う事が想定されますから、下痢・便秘に対する予防策を適切に行う事が必要でしょう。
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