慢性硬膜下出血

 昨年末から気になる症例が出ましたので、皆さんに御忠告申し上げます。「慢性硬膜下出血」です。

 多くの場合、ごく軽い頭部打撲を体験し、脳外科や救急外来を受診しても「特に問題はありません」と診断された患者さんで、早くて2週間遅ければ数カ月後、徐々に頭痛が生じ、めまい・吐き気・平衡障害が生じた場合、脳外科領域の「慢性硬膜下出血」を疑います。特に60歳以上の高齢者で、思い出す事も出来ない僅かな頭部打撲受傷が原因である事が殆どです。高齢になると脳の体積が減少し、脳と頭蓋骨との間に隙間(空間)が生じます。その状態で若い頃には予想もしない、軽度の頭部打撲により頭蓋骨の硬膜と脳軟膜との隙間において脳軟膜上の血管破綻で生じた出血が、ゆっくりと広がり時間をかけて脳を圧迫する事で、圧迫された脳の活動部位の障害(何らかの麻痺症状)を徐々に引き起こして行きます。受傷当初は画像診断(CT・MRI)では発見されにくく、脳自体は直接には障害されないので問題無く帰宅あつかいになるのです。そのため周囲の方々が注意深く行動や発言等を受傷前と変化が無いか、観察しないと初期症状は発見されません。実際受傷後2週間以上の経過後の発症ですと当時の打撲自体を把握していない事もあります。出来れば最初受診した病院の脳外科・神経内科に再受診し画像の変化は無いか、症状の新たな把握を希望するのが良いでしょう。手術自体は溜まっている出血を頭蓋骨に小さい穴を作りゆっくり排泄する事です。早ければ後遺症は見られませんし、一方で放置していますと死に至ります。

 頭部打撲を体験した高齢者の方は、2から4週後同じ病院を受診し、主治医に変化の有無や経過を解説し、遅発性障害(慢性硬膜下出血等)は見られないか、そして次の診察日の決定をして貰う事が望ましいと考えます。御本人は嫌がる事が多いですが、御家族周辺の関係者の方々が注意されるのが良いでしょう。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL