「緑内障」と「白内障」

先週から今週にかけて話題になった「黄班変性症」の後、今度は「緑内障」「白内障」に関する診療依頼が増えています。

 この2つの疾患はかつて「あおぞこひ=緑内障」で、「しろぞこひ=白内障」と呼ばれていました。それぞれ障害される部位が違いますので、その末路は大きく違います。白内障は眼球内部の「水晶体」の加齢性変化で透明を維持出来なくなり水晶体自体が混濁(濁り)だしてしまい、「矯正視力が出ない、霞む、疲れる・疲れ目、目の奥が痛い・頭痛がする」等の眼科的症状が主体ですが、白内障の初期症状として「小雨や曇りの日の方が、日本晴れの日より交通標識がハッキリ見える」という現象が有ります、つまり小雨・曇りでは眼内に入る光の量が少ないので瞳(瞳孔)が開いて居り、濁り出した水晶体(白内障)による光の乱反射が少ないので、「輪郭のぼやけやまぶしくなりボケて見える」現象が少ないのです。とんでもない晴れの日は、そのままの瞳孔径では網膜が光に焼かれてしまう為、縮瞳(瞳が閉じる)します。これにより余分な光は瞳(虹彩)に遮られ、むしろピントがきっちり合った状態になる為瞳孔を通過した光の光量(光の濃度)が高まり、水晶体の濁りで強い乱反射が生じる為に「ぼやけて見える」ので、外出時「カラーレンズ」をかけている患者さんが多いのです。進行しますと水晶体の加齢性変化ですから、現在では「白内障手術(+眼内レンズ挿入術)」を行えば、網膜に問題が無ければ曇りが無くなり視力は若かりし頃へ戻りますから、白内障を適切に手術しますと視力が戻る「可逆的疾患」と言えます。一方、緑内障は前回述べましたように眼球内の加齢性構造変化というより、網膜に存在する視神経繊維の血流による還流不全(神経絵の酸素・栄養不足)に起因します。その為私はよく患者さんにこの様に例えます。「稲作をする為に、田植えの時期に用水路から田んぼへ水を引き込む入口の木の板を上げたり外したりして水を引き込んで田んぼを還流しますが、間違えてせき止めていた木の板等をそのままにしていると田んぼに水が流れて来ないので田植えが出来ません。これと同じ事です。水が流れて来ない田んぼは、還流不足で死滅します。」と同じ事です。その為網膜上の動脈の血流還流不足により血管が栄養している網膜神経線維を傷害しますので、緑内障の視野欠損は必ず御菓子の「バームクーヘンを半分に切った様な半ドーム状の視野欠損になる」と解説しています。田植えが出来なければ、米の収穫は無い為農家さんは飢えるのと同じで、網膜血流還流が悪いと視野が消失しますので、この変化は行きつくと不可逆であり、視野欠損は治せません。眼圧をコントロールして網膜血流を円滑に末端まで還流するようにしても、眼圧コントロール不良や視野欠損進行により緑内障手術を行う事になりますが、手術自体5年から10年持てば幸いと言う現在の水準です。つまり緑内障は進行を遅らせる事は可能ですが、進行は止められない「不可逆的疾患」ですので、如何に予防的検出と早期発見、早期継続治療を行うかが重要です。

 この様に似たような名前ですが、白内障の「障」は「症」では無いですが、緑内障に関しての「障」は実際は間違いで「症」かつ「病」ですので、かつての病名の付け方の珍しい捉え間違いと言えます。末路は大きく違います。

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