眼鏡の再作成

最近の今年の夏休み時期に「眼鏡作成」した方の「視力矯正不全」でレンズ再作成の処方箋作成を余儀なくされる患者さんが急増しています。
父兄の方々が、「新しく眼鏡を作ったのだが、何となく見難そうにしている。私達身内が気にし過ぎているからでしょうか。」という懸念で来院される事で、発覚している症例が大半です。初めて眼鏡作成した症例は殆ど居られません。これには理由があると思います。後で解説します。殆どの症例は「これまでに1本以上眼鏡を作った経験がある。」といった眼鏡装用のプロの方々です。年齢は様々、学生学童は勿論、高齢者中高年の方々も同じ比率です。実際の眼鏡を検査しますと患者さんの眼科検査と明らかに違ったデータで作成されています。代表例は「瞳孔の距離が違う」、「左右の度数が逆」、「フレームの大きさが患者さんの顔面に合わない」、「視力矯正の目的距離に対して瞳孔間距離が対応していない」、「作成前に説明を受けたレンズと実際のレンズの採用が違う」、「レンズの重量に対しフレームの耐久力が明らかに劣る」等です。残念ながらTVのCMで毎日飽きる宣伝している会社や販売所である事が殆どです。利益を焦る為にプロの眼鏡師であれば絶対起こり得ない間違いを平然としています。しかも恐ろしい事に当院で再作を促す為の「眼鏡処方箋」を作成し、私が自筆で「この様にレンズの再作成を御願します。藤原拝」と記載していても、作成した販売店で「この医者の言い掛かりだ。内の眼鏡は完璧だ。全国展開しており自信と実績で世の中に貢献している有名店で、合わない眼鏡を作る事等、絶対ない。この眼鏡で問題無い。このまま使って問題無い。」といった主旨の内容を断言された症例も度々あり、私が患者さんの代理の委任を受けて問題の店舗に直接電話して交渉する事がありました。多くは慌てふためいて直ぐに再作成し、患者さんと私に謝罪して来ましたが、一店舗のみ「眼科医だからといって偉そうにするな。眼科医はまともな眼鏡処方が出来ないから眼鏡屋が世の中に溢れかえる位、在るんでしょ。」と店長兼責任者(事業主かどうかは不明)が私に直接吠えた事がありました。早々に患者さんに担当の保健所の担当部署を紹介し書類を私が御用意しました。後日担当地区の保健所担当官から「指導しました。速やかに患者さんの眼鏡の再作成を行った様です。以前から複数、苦情を寄せられて居り今回そちらの明快な書面での事情説明と患者さんからの書面の訴えが御座いましたので、これまでの問題と共に指導に参れました。今後とも宜しくお願いします。」との報告でした。その店舗にとって気の毒であったのは、相手が私であった事と患者さんが「弁護士」とその家族であった事でしょう。
先程の初めて眼鏡を作成した患者さんの訴えは殆ど無いと言う事は、「初めての眼鏡作成なので、未経験のため、そもそもその眼鏡がきちんと合っているのかどうかは自己判断出来ない」からです。このため推察するにおいて、その眼鏡の為に急速な視力障害が進行し得るという事です。低価格の眼鏡が氾濫すると言う事は、この様な副作用が生じる事を予期し得た筈ですが、価格の魅力には多くの患者さん(使用者と言って良いかは懸念される)にとって避けられない要因であるのでしょう。しかしその後の人生を左右する程の問題に
なりかねないとは眼科医の立場であっても、なかなか想像できません。

 

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