カラーソフトコンタクトレンズ

最近カラーレンズ(正式にはカラー・ソフト・コンタクトレンズ)による角膜障害が社会問題になっています。当院にも稀に来られます。

 かつては大型ショッピングセンターや通販サイトで視力矯正度数無しのカラーソフトコンタクトレンズを自己購入しトラブルに見舞われた消費者(眼科受診が無いままコンタクトレンズを使用しているので、患者とは呼べません)に関する問題が中心でしたが、ここ数カ月は大型量販店において眼科検査を併設する眼科施設で行ったにも拘わらず、その後角膜障害や結膜障害を生じて眼科専門医の存在する眼科医院へ受診する症例(一応診察行為を受けているので患者扱いです)が目立つようになったという状況です。TVでも一時期大々的にカラーソフトコンタクトレンズの宣伝をしていましたが、その後トラブルが急増しているようですし、当院への時々受診者が居ます。診察時該当する患者さんの眼球構造に対し明らかに不適切な構造のコンタクトレンズを処方されている症例が大半ですが、中には特に問題が無い処方例もあり、従来のソフトコンタクトレンズの処方では問題があるのかと、疑いたくなる症例も稀にあります。かつて毎日洗浄し通常のソフトコンタクトレンズ並みに耐久性があるカラーソフトコンタクトレンズが市場を席巻していた頃、酷いアレルギー性結膜炎や重症角膜障害(一部は角膜真菌症:カビ)が蔓延し、日本眼科医会でも「カラーソフトコンタクトの使用に関する各眼科医への注意勧告」といった趣旨のキャンペーンが行われて居ました。今回も同様の傾向があります。殆どが使い捨てソフトコンタクトレンズですが、洗浄剤・保存剤と洗浄法の問題と検査後のコンタクトレンズが患者さんの眼球上で何らかの障害を生じてしまうかもしれない問題等が想定されます。患者さん曰く「少し時間が経つと大変乾く」という声が多く、また「急にコンタクトレンズが眼球に張り付いた感じになる(その後直ちに問題レンズを外すか、否かはケース・バイ・ケースです)」という声が大半です。

 現在の透明な通常ソフトコンタクトレンズでも半年も経つとゆっくりと変形を生じているのに、以前の通常レンズ並みに使えるカラー・コンタクトレンズではまさに「貝殻状」に折れ曲がったレンズを無理やり広げて装用している中高校生が随分いました。かれらの言い分は「カラ―コンタクトが大幅に安いから、普通のレンズと比べ物にならないくらい御得である。また普通のソフトレンズ並みの使用能力があるのに何故カラーレンズを使うなと指導する大人達(眼科医も含む)の発言に説得力が無い。」でした。現在の中高生にカラーソフトレンズの使用に関する心配は無いかと尋ねると「使えない物がどうして市場に出回るのか。大人の規制が無いのだから、先ず規制をきちんとしてからにして欲しい。成人していない自分達に責任は無い。」という発言が目立ちます。販売・法整備・指導・診察等中高生からすると「駄目だと分かっている事を大人が事前に規制しない事がそもそも問題だ」という立場です。どうなんでしょうか。

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