家族間世代間の断絶

 前回家族の問題を批判しましたが、なかでも「高齢者の知恵が役に立たない」という点について更に記載してみます。

 多いのは祖父祖母に発言権が与えられていないという家族が増えている様ですが、その根拠が若夫婦曰く「内の爺さん婆さんは宛てにならない。」という評価です。つまり同居している若夫婦の自分達の祖父母の評価があまりにも低い、という事です。会社勤めの場合特に目立ちます。父母の働く姿を直接見ていない事で子供たちは父親の権威の評価が出来ない、一方自宅での父親の行動とそれに伴う評価が子供にとって全てでありそれが会社での行動や能力と同じと判断されてしまう事により予想以上に低い評価になる為に、若夫婦が頼りにしていないという事と考えます。また自営で自宅や近傍での両親の働く姿を子供の頃から間近で見ていても、仕事に父母の能力の全てを注ぎ込んで来たために、子供たちは自分達に十分な関心を払って来られなかった事による断絶間、また親を煩わせない様に自己判断する癖が付いてしまって、同居していても自分達が独自判断している事が多い様に見受けられます。この様な関係性は孫も幼少時から心で肌で感じ取って行きますので、一層覚冷めた親子関係に至ってしまいかねません。

 家族間世代間の断絶が、「症状発見の遅れ」を促し、「症状の悪化」を招き、「治療経過・結果」を巡る家族間の責任転嫁に至る見苦しい状況を憂います。しかし日本では個人以外での関係性を構築する為の国自治体を上げての取り組みがありませんので、期待出来なかったと思います。事実私はマンション住まいですが、それは「他人との関わりの煩わしさ」からの選択です。まぎれも無きこの様な状況を加速化する事に加担している一員です。私は独身ですから、子供との絡みはありませんが、責任は感じますので医院での診療に於いては可能な限りの社会性を個々の症例と保護者に解説はしています。その後は患者個人の領域ですので、責任は負いかねます。そもそも医師が関与して良い領域かどうかも、疑問です。

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