自然体の精神

 6月も下旬になりましたが、一般眼科は元より難聴・めまい・耳鳴りの患者さんが後を絶ちません。逆に高齢者の初診の中で成人病未治療者が沢山発見されています。

 「最近視力が低下し、かつ霞んで見難い」という主訴で多くの高齢者が受診されますが、白内障はほぼ100%ベースにありますが、他に緑内障が合併し、同等に三大疾病「高血圧・高脂血症・糖尿病」が合併して居ります。これまでも内科で治療して居り、眼科の検査も受けるべきであると促されて受診される患者さんは元々殆どでしたが、今年に入ってから「全く健康に自信が有り、市民検診や近くの医院(大半が内科)で時々診て貰うが‘健康’と保障されていた」という患者さんが眼底検査から発見される症例が急増しています。しかし多くは「数年前に受診した時は、‘問題無い’、’健康体‘と言われたんだけどな」という御粗末な症例が大半です。むしろ「見逃されて来た」症例が以外と多数存在するという事です。人によっては「最近(ここ数カ月内)スポーツクラブに提出する検診をして貰った時、異常無しと言われた。」と診断された症例も毎週数例居り、当院外来で微妙に気になる事も多いです。実際眼底検査で網膜の血管の状態が直ぐに分かりますので、厳しい判断ですが私はきちんと患者さんにお伝えしています。複数人は「他の医院に行ってみたい(セカンドオピニオン希望)ので、紹介状を頼む」と決断される症例も多く、その後示唆して頂き受診された内科から三大疾患の診断が付いた事を紹介状のお返事を頂き判明して居ります。患者さんはがっかりされている事もありますが、意外と前向きで「ここで診断して貰って良かった。知らない内に悪化してたら浮かばれなかった」と喜んで頂いている症例も多数居られます。他に精査して欲しいと高度診断が出来る病院へ紹介して欲しいと希望される症例も増えています。

 最近の高齢者は、私が幼かった印象と違い大変お元気かつ溌剌として居られ、とても「高齢者」とは言えません。そのため自己啓発や自己探求に強い興味を持たれ、成人病(特に三大疾患)を肯定しむしろ成人病と上手に付き合ってしまおうと大胆かつしたたかな発想をされる症例が数多く見られます。この様な心持は大変立派でありかつ謙虚であり、大変日本人らしい‘自然体の精神’を見て取れます。その実ご自宅では自己管理を悩みながらも極めようと努力される姿は称賛に値すると思います。小さな医院の責任者としても、「この国は捨てたもんじゃない」と実感し、一人ほくそ笑んで居ります。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

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