継続治療
今年の春の花粉症は「喉の痛み」や「咳が出る」、「全身がだるい」という「風邪症状」を合併している患者さんが増えて居られます。また「今年初めて花粉症らしき状態になった」という患者さんが近年に無く増えています。
2年続けての酷暑の為に翌年のスギの花粉飛散量が多かった事に起因します。飛散量は多いとか少ないとか様々な報道がありますが、患者(私を含む)にとっては「症状が出たら、それが全て(救いは無い)」であって、表現が好ましくないと思いますが「戦場での死者本日は友軍は軽微、敵軍甚大」という報道と同じです。つまり「自分が死んだらそれが全て。世間は戦死者を人数扱いするが、本人と彼等の家族にとっては唯一無二の存在であり100%死亡者だ。大悲劇。」という感慨です。花粉症も「自分に起こったら大悲劇」という事です。一日の気温気圧変動が大きく、ヒトの努力では安定化が図れず「自律神経」と「免疫」の制御範囲を超えた状況を昨年秋から延々日本は経験していると言えます。患者さんもきちんと自分の立場を自覚する事が肝心要であり、腹を括り「諦めでも構わないから、きっちり治療を完了する」事に専念して下さい。そうしてその視察記録が翌年以降の対策記録になり、言わば「患者個人の対花粉症のノウハウ」になる事は確実です。確かに新機軸と成り得る「舌下免疫療法」の保険適応も解禁されますが、完全に治癒するという保証はありません。多くの患者さんから問い合わせが有りますが、「完治する保証」はありません、あるのは「軽減する保証」です。ヒトは「免疫」により身体の防御により日々助かっており、逆に「免疫」により過剰防衛から「花粉症」や「アトピー性皮膚炎」「喘息」「食物アレルギー」等を引き起こすのであり、体質として「免疫の暴走」が発現した場合はその「現実」と如何に「対峙する(向かい合う)」かがヒトに問われる事を御自覚下さい。
診察室で長々と「どうしてこんな事になったんだ」とか「どうして自分がこんな事になったんだ」とか訴える患者さんが多数居られますが、それは「運命」です。実際この私が「アレルギー体質」で20年来治療して居り、自費診療で「減感作療法(皮膚に低濃度のアレルゲンを皮下注射してアレルギー体質の改善を徐々に改善する治療法、大変まともな治療法です)」を行いましたが、‘治っていません’。私は主治医と毎年対策を講じて居りここ10年はかなり軽症になりました。体質については大変悲観的です。しかし治療法に関しては大変前向きです。実際大変軽くなり、毎年「今年の花粉症の終結宣言」を主治医に行って貰う事を義務付けて居り、これにより毎年症状が軽減しています。保険診療により治療は良好です。自覚する事、割り切って「愚痴を言わない」事が、アレルギー治療の肝であり、アレルゲンが原因の場合は主治医に通院し「終結宣言」を受ける迄はきちんと「継続治療」をする事です。
緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!
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