白内障と緑内障

 前回のブログに続く内容として、患者さんから尋ねられました事にお答えします。

白内障の治療は何のためにするのか。つまりは進行するのは避けられないはずだ。」と

緑内障の治療は、何時まで行うのか。治療を辞めた時にどの様になるのか。」という

高齢者からの問いが多かったです。

 白内障に関しては、「点眼治療しか保存療法は無い。点眼をしても進行速度を落とす位しか

期待できない。しかし高齢者で手術を希望されない場合、進行速度を落とす事以外に対処法は

無いので、御勧め出来る方法ではあります。また効果は無いとかつて報道されたが、

現在他に認可された治療薬は無いので、カタリン点眼類に頼るしかない。」と解説しています。

納得されるかどうかは、患者さんに御任せしています。

 

 緑内障に関しては、「大きく2種類に分別出来ます。閉塞隅角緑内障開放隅角緑内障です。

何れも網膜の血流循環障害により網膜上の動脈の栄養している領域の網膜の循環不全で

視野(見えている範囲)が欠けて行く病気です。

一度血流循環不全で障害された網膜の神経は二度と蘇りません。つまり視野は無くなった

ままです。そのために点眼治療でしのげる場合は、点眼治療を継続する事だけで視野は

維持できます。

点眼1種だけでは視野欠損の進行を阻止できない場合は、点眼の種類を増やします。

それでも厳しい場合は、緑内障手術(ろ過手術といいます)を施し、更に点眼を行い

視野の保持を図ります。大変悲劇的な進行性疾患です。白内障の様に手術で治る物では

ありませんし、一生涯治療は継続するしかありません。治療放棄は視野欠損容認、

つまりは視野・視力ゼロとなります。」と、きちんと返答しています。

 高齢者にはなかなか厳しい返答ではありますが、いい加減に御茶を濁したり、

高齢者だから適当に済ませよう、等といった解説は極力致しません。年齢に関係なく

直面している状況・現実を直視し、その患者さんに適した表現をもって科学的解説を

患者さんを巻き込んで行うべきです。「年取ったら分からん」とか「年寄りに言われても困る」とか

「先生の良い様にして下さい」等と言う発言は、患者さんも厳に戒めるべきではないでしょうか。

医療費を国から補助して貰っているのですから、患者さんは自己の責任を重く受け止める

義務があると私は思います

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