メガネの処方箋

 本日は月末そのもので、子供さんの遠見メガネやパソコン用近見メガネの処方で

ごった返して居ました。

 

 最近有名なメガネ屋さんでメガネ作成したものの、「処方箋」と全く違う完成品に

なっている事が当院でチェックして判明している事が頻回に判明して、

更に再作成の為の「処方箋再発行とコメント(指示通りに作成して欲しい、

という依頼)」を発行したにも拘らず、またもや「指示通りでないメガネ」再作

なっている事が多いので、困って居ました。

 その憂き目にあった患者さん御本人が、患者さんの知人にその内容を仰ってのでしょう、

「自分もそのメガネ・チェーンで作ってから見えない」という方々が現在大挙いらして居ます。

メガネのレンズと瞳孔間距離を自動で測定できる最新鋭機を置いて居ますが、

眼科的データから「どうしたらこんなメガネ合わせになるのか」分からないメガネを

持ちこまれる症例が毎日の様に来院されています。

現状の説明と対策をご説明し、患者さんに「新たなメガネ処方箋」を発行し、

欄外にどの内容が実測と違っているのかを記載してお渡ししています。

かなりの手間が掛りますが、このようなメガネを患者さんは問題無い物と

思い込んで使って居られる事で、眼精疲労・頭痛・肩凝り・腰痛・めまい・

耳鳴り・吐き気・全身倦怠感等を常に招いて居られる様です。

以前からも見られましたが、昨今の「ワンプライス・システム」を謳い文句にした

メガネ・チェーン店において、きちんとした検眼士が常勤していない施設が急増し、

数か月の訓練で視力検査からメガネ作成まで行う会社社員が店舗で検眼士の様に

振る舞っている事に起因すると考えます。たしかに検眼士は国家資格では無く、

誰でもメガネ作成は可能ですが、就職して数カ月で実戦配備になる会社職員が

経験を積んだ検眼士と同様にメガネ作成を行って良いものか、心配です。

患者さんも御客として、安く物を買いたいと思っている事がこの様な社会背景に

至らしめている事は事実であり、職人がその価値を失う環境に自分達も

「一役買っているのだ」という自覚を持っていない事も残念ながら事実です。

デフレーションを示す一例ですが、「安くつけて、長期通院」を余儀なくされる事に

早く気付くべきでは無いでしょうか。

 

 歯科医をしていた祖父が口癖のように言っていました。「安物買いの銭失い」。

 歯科は高く付きますが、きちんと患者と歯科医師が話し合い方向性を決める事で、

投資した分の回収は出来ると、祖父は言っていました。

「いつ終わるか分からない様な歯科通院をさせられている患者は、一回一回の通院は

安いが合計金額はとんでもない事と、実際は治って無い事が分からないんだ。

うちは口うるさいが、スケジュールをきちんと決めて事前の治療費も患者と相談し

決めて取り掛かるから、結果的に短期間で安価で治療が終わる。

こういう事に早く気付きなさい。」と幼稚園入学前に良く聞かされていました。

メガネも同じ事だと思います。

緑内障・白内障・黄斑変性症から風邪・花粉症・ぜんそくまで、兵庫県川西市の眼科・アレルギー科藤原医院へ!

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