副鼻腔炎の治療はどこまで?

 

前回・前々回のブログの追加質問がありまして、「副鼻腔炎の治療はどこまで

きちんと行うべきか」という内容が多数ありましたので返答致します。

 

 患者さんと親御さんの多くは、「どうせ副鼻腔炎(蓄膿症)なんて治らないもので、

汚い鼻水が出なくなったらわざわざ何度も耳鼻科に行かなくても良いだろう。」

と判断されています。あくまで「自己判断」です。先ず医師に診察の上で「完治」を

宣言して貰い、「通院終了」と宣言を貰うまでは「医学的他覚的に非治癒状態

(治ったという確証が無い状態)」です。ここをご理解頂き、診療は確実に行われている事を

前提でお話し致します。

 

 私事ですが、実家は「歯科医」でした。また父も祖父も歯科医でして、私と同じように

「少し変わって」いました。歯科医なのに「口腔外科」も有る程度していたのです。

私も本来「眼科専門医」ですが、救命救急時代に頭頸部外科チームに所属しており、

かつ形成外科に約1年出向して居りましたので、夜間の耳鼻咽喉科・形成外科

(創傷部縫合、特に顎顔面形成)・脳神経外科(手伝いでしたが、くも膜下出血や

外傷性脳障害の手術参加をしていました)に参加しており、ある程度「口腔外科」も判ります。

この内容を頭の片隅に置いておいて下さい。副鼻腔は歯槽骨(上顎の骨)と接しています。

副鼻空は顔面骨の大半の空洞部分の事を指します。構造上歯槽骨に上の歯が

埋め込まれている状態ですから、歯科の治療を簡潔しないと虫歯のバイ菌が

歯の根っこ(歯根部)から移動して、副鼻腔の粘膜層へ波及し感染します。

これにより虫歯の菌が副鼻腔炎を引き起こしたり、悪化させます。

逆に副鼻腔炎(昔の蓄膿症)の治療がきちんと成されていない場合、菌が歯槽骨を

破壊してしまい、虫歯を作ってしまう事があります。歯科・耳鼻科治療の治療未完了のまま

放置していて、「歯槽骨ひ薄化」と「歯周病悪化による歯周ポケットの拡大」を招き、

将来歯の自然脱落を招き、インプラントをしようとしても固定する歯槽骨が薄すぎて

(または溶けてしまって存在しない)埋め込めない事態を起こします。

つまり歯が抜けてしまうのでインプラント治療はおろか、「入れ歯」も入れられない事態

至り得るのです。日本の高齢者の自己歯牙保有率が欧米に比べ極めて低いのは、

「歯周病」含めての歯科治療の不行き届きと、耳鼻咽喉科の「副鼻腔炎」治療の

不完全による自己永久歯の残存数の低下によると統計上医学的に証明されています。

これが私の返答です。

 

 また実際救命救急で、突然の心筋梗塞・狭心症や脳梗塞、眼底の動静脈閉塞を

生じた「血栓症」を来した患者さんの内、「口腔内細菌」のプラーク(固まり)が

血栓症の原因に成っていた患者さんを数例経験しています。副鼻腔炎の障害は

「片眼の眼球突出・脳膿瘍・重度中耳炎や内耳炎・前庭神経炎」等でした。

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